2010 Fiscal Year Annual Research Report
RNA結合タンパクのノックダウンによる口腔がん治療のための基礎研究
Project/Area Number |
20390505
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50301891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20162802)
戸塚 靖則 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00109456)
樋田 京子 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 特任准教授 (40399952)
北村 哲也 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00451451)
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Keywords | HuR / ARE-mRNA / RNAi法 / ノックダウン / 口腔がん |
Research Abstract |
本研究の目的は口腔がん細胞でHuRの発現をRNAi法でノックダウンし、その手法を口腔がんの治療に利用するための基礎的研究を行うことである。初年度は、ノックダウンのために、RNAi法用のsiRNAの設計を行い、細胞にsiRNAを導入してHuRのmRNAやタンパクの減少を確認し、さらにc-fosなどのARE-mRNAの核外輸送や安定化が阻害されるかどうか検討した。また次年度は、HuRがノックダウンされた細胞の性質、特にがんの足場非依存性増殖に関わる形質を検討した。本年度は、HuRノックダウンされた口腔がん細胞の浸潤能を検討し、HuRをstableにノックダウンするためにHuRのshRNAを持つ発現ベクター作成を試みた。 1)RNA結合タンパクのノックダウン HuRノックダウンした口腔がん細胞の浸潤能に焦点を当て詳しく解析した結果、HuRノックダウンにより浸潤能が低下し、この現象にはマトリクスメタロプロテアーゼMMP1の発現が関わることを解明した。さらに、MMP1遺伝子の転写に関わる転写因子、AP1やEtsファミリーの発現も低下していることを確認し、現在論文投稿中である。 2)HuRのノックダウン用ベクター HuRのshRNAをpSuperプラスミドに導入することにより、HuRをstableにノックダウンする発現ベクターの作成に成功した。また、このベクターを用いて、アデノウイルスのがん遺伝子E4orf6でトランスフォームしたがん細胞のHuRを恒常的にノックダウンすることにも成功した。この細胞はソフトアガー中でコロニーをほとんど形成できず、HuRノックダウンががんの足場非依存性増殖を抑制することを再確認できた。この成果を含む論文はOncogeneに受理された。
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