2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規骨形成性低分子化合物の探索とその骨再生への応用に関する戦略的研究
Project/Area Number |
20390509
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 良之 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 准教授 (70251296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近津 大地 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30343122)
矢野 文子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (80529040)
西條 英人 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80372390)
鄭 雄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30345053)
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Keywords | (1)骨再生療法 / 化合物スクリーニング / 化合物デリバリーシステム |
Research Abstract |
本年度は、前年度同定した骨形成性低分子化合物の生体内デリバリーシステムの開発を行った。具体的には、 A)担体からの骨形成性低分子化合物徐放評価系の確立 同定化合物の担体からの徐放性を評価するため、骨芽細胞分化を指標にした評価系を確立した。これはトランスウェル培養系にヒントを得たもので、培養皿内で化合物含有担体を細胞と接触させることなく設置するため、培養細胞において認められた骨芽細胞分化は、担体より放出した化合物によって誘導されたものであると解釈でき、担体からの化合物の徐放性の評価とした。 B)骨形成性低分子化合物を含有させた各種人工骨材料、担体材料からの徐放性の検討 HPCハイドロゲルに同定化合物を包接し、細胞培養系において、化合物が骨芽細胞分化促進作用を維持しうるか評価した結果、良好な徐放性が得られ、骨芽細胞分化促進作用を維持できた。さらに申請者らが開発を進めてきたテトラポッド型人工骨に化合物を含有させると、人工骨からの徐放も確認できた。 動物モデルを用いた骨形成性低分子化合物の骨再生誘導効果の評価を次の2つのモデルを使って現在解析中である。 A)マウス頭頂骨臨界骨欠損モデル:直径4mmの全層欠損がマウス頭頂骨における臨界骨欠損を作成 B)ラット歯周疾患モデル:ラット大臼歯に絹糸を巻きつけることで、プラークの停滞による炎症性骨破壊が誘導されるモデルを検討した結果、歯槽骨の減少がμCTで確認されたため、歯周病モデルとして有効であり、骨再生の評価に有用であることが示された。 これら2つのモデルに骨形成性低分子化合物を含有したHPCハイドロゲルもしくはテトラポッド型人工骨を注入または移植し、術後4,6,8週でマイクロCTを用いて3次元的な画像評価を行う。組織切片も作製して、HE染色、各種骨基質タンパク質に対する免疫染色、in situ hybridizationによる骨芽細胞分化マーカー遺伝子の解析も行い骨再生を評価する。
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