2010 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生因子angiogeninを分子標的とした癌の骨破壊制御に関する基礎的検討
Project/Area Number |
20390516
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐々木 朗 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00170663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 晃治 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40243480)
志茂 剛 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40362991)
吉岡 徳枝 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50362984)
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Keywords | 血管新生因子 / angiogenin / 骨破壊 / ノックダウン / 骨浸潤 / 破骨細胞 / 口腔扁平上皮癌 / 骨基質 |
Research Abstract |
血管新生は癌の増殖、浸潤、転移において必要不可欠であり、癌治療の新たな戦略として様々な血管新生阻害剤が注目されている。血管新生蛋白であるangiogenin(ANG)は、腫瘍血管新生のみならず癌細胞の増殖に重要な役割を果たす。我々はこれまでにANGが,in vitroで破骨細胞形成ならびに骨吸収活性を促進すること,ANGをノックダウンしたヒト口腔扁平上皮癌細胞HSC2(ANG-siRNA-HSC2)を大腿骨内に注入したin vivo骨破壊モデルにおいて骨内での癌細胞の骨破壊を抑制することを明らかにした。 本年度は,これらの成果を基に骨微小環境での影響を検討した。ANG-siRNA-HSC2を骨基質シャーレ(BECM)上で培養したところ有意にANGの発現の回復がみられた。また骨髄細胞を用いた破骨細胞形成系をANG-siRNAにてANG発現をノックダウンすると破骨細胞形成を抑制した。これらの結果は癌骨破壊部での骨微小環境下ではANGが高発現し,破骨細胞性骨吸収が促進することが示唆された。ANGを高発現するHSC2のANG-siRNA-HSC2を作製しRT^2Profiler PCR Arraysを用いてPCR Arrayを行い,腫瘍の増殖、浸潤、転移に関わる遺伝子との関連性について検討した。その結果,ANG-siRNA-HSC2においては、破骨細胞性骨吸収の促進に関与するVEGF-AやIL-1βの発現がdown regulateし,ANGは破骨細胞性骨吸収を促進する遺伝子に関連していることが明らかとなった。しかしながら、腫瘍の転移に関与するCXCR4はその発現がup regulateしていた。CXCR4に関しては、ANGをノックダウンすることによって代償的にその発現が促進されていると考えられた。
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Research Products
(2 results)