2010 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時の口腔咽頭食道内の酸のクリアランスと酸関連上部消化器疾患に対する咬合の影響
Project/Area Number |
20390524
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮脇 正一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大牟禮 治人 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 講師 (00404484)
坂口 勝義 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (80381185)
坪内 博仁 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (60145480)
植田 紘貴 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10583445)
永山 邦宏 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (60583458)
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Keywords | 8020 / GERD / ブラキシズム / クリアランス / 酸 |
Research Abstract |
本研究では、一般集団や8020達成者、骨格性下顎前突患者らを被験者として用いて、「良好な咬合は、睡眠時に唾液の流出率などを増加させて口腔咽頭食道内の酸のクリアランスを高めることにより、酸関連上部消化器疾患の発症を抑制する」という新たな仮説を検証することを目的とした。 本研究の結果、1)小学生の156名を対象とした睡眠障害に関するアンケート調査では、睡眠障害が疑われる小児は対象の約30%で、PDSS値が高く、OSASの可能性が示唆された。また、睡眠障害があるものでは、歯ぎしり・くいしばりの自覚、口腔周囲筋の疲労などの症状が多く、ブラキシズムが示唆された。また、GERDが疑われる消化器症状も認められた。2)手術適応の骨格性下顎前突20名を対象にGERD症状や咬合力、咬合接触面積と安静時の唾液流出率を計測し、正常咬合者との比較を行ったところ、骨格性下顎前突患者はGERD症状が有意に多く、咬合力は有意に弱く、咬合接触面積は有意に狭かった。このことから、骨格性下顎前突患者では咬合機能が低下しており、上部消化器症状が多いことが示唆された。3)健康な成人男性12名を対象に食道内に人為的に化学的刺激(酸性刺激)を加える介入試験を行ったところ、食道内への化学的刺激(酸刺激)がブラキシズムを引き起こすことが示された。 以上から良好な咬合は、睡眠時に唾液の流出率などを増加させて口腔咽頭食道内の酸のクリアランスを高めることにより、酸関連上部消化器疾患の発症を抑制するだけでなく、食道内に対する化学的刺激を遮断することで、ブラキシズムの根本療法が可能となる可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)