2008 Fiscal Year Annual Research Report
細菌やヒト細胞に存在する多機能タンパク質GAPDHが歯周病細菌感染に果たす役割
Project/Area Number |
20390534
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永田 英樹 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50260641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保庭 雅恵 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00303983)
前田 和彦 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00346165)
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Keywords | GAPDH / 歯周病細菌 / ヒト細胞 / 感染 / 付着 |
Research Abstract |
歯周病細菌Porphyromonas gingivalisが口腔内に定着するためには、初期デンタルバイオフィルム形成菌との相互作用が重要である。我々のこれまでの研究により、種々の口腔レンサ球菌菌体表層に存在するglyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase (GAPDH)がP. gingivalis線毛と結合し、口腔レンサ球菌とP. gingivalisとのデンタルバイオフィルム形成に関与する可能性が示唆された。本研究では、Streptococcus oralis ATCC9811株のGAPDHをコードする遺伝子の配列を基にリコンビナントGAPDH(rGAPDH)を作製し、それを酵素処理して得られたrGAPDH画分をHPLCにより分離し、各画分のP.gingivalsリコンビナント線毛(rFimA)との結合をBIAcoreにより測定した。その結果、P.gingivalis線毛と結合する領域はGAPDHのアミノ酸残基166-183に存在することが明らかとなった。そこで、このアミノ酸配列を基に合成ペプチド(pep166-183)を作製し、このペプチドが様々な線毛型のP.gingivalisと種々の口腔レンサ球菌とのバイオフィルム形成に及ぼす影響について、共焦点レーザー顕微鏡を用いて検討した。その結果、pep166-183は種々の口腔レンサ球菌と様々な線毛型のP. gingivalisとのバイオフィルム形成を濃度依存的に阻害した。さらに、pep166-183の疎水性アミノ酸をAlaに置換したペプチドを作製し、バイオフィルム形成に及ぼす影響について検討したところ形成阻害効果はみられなかったことから、pep166-183の疎水性アミノ酸残基がP. gingivalis線毛との結合に重要な役割を果たしていることが推測された。
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Research Products
(6 results)