2010 Fiscal Year Annual Research Report
看護倫理教育のモデル構築と検証:実践場面の倫理的判断・対応の検討と国際比較から
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20390547
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Research Institution | Saku University |
Principal Investigator |
小西 恵美子 佐久大学, 看護学部, 教授 (70011054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 真理子 佐久大学, 看護学部, 助教 (10281255)
吉岡 恵 佐久大学, 看護学部, 助手 (20520836)
田中 高政 佐久大学, 看護学部, 助教 (80398354)
中嶋 尚子 佐久大学, 看護学部, 助教 (40347373)
八尋 道子 佐久大学, 看護学部, 助教 (10326100)
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Keywords | よい仕事 / 看護学生 / 看護師 / 看護倫理 / 道徳的感性 / 職場環境 / 忠誠 / 卓越性 |
Research Abstract |
1. 対学生 大学生の職業倫理観を育むツールとして開発されたGoodWork Toolkitを用い、学生との対話を継続した。22年度は、4章「責任」と6章「仕事の卓越性」の日本語版を作成、各章について、3年次看護学生6名とフォーカスグループセッションをもった。4章「責任」:物語「2つの忠誠」は、自身の信条への忠誠と組織へ忠誠の葛藤を描く。学生らは、忠誠への影響要因として個人の社会的立場に注目し、責任ある立場になるほど、自身への忠誠は小さくなり、組織への忠誠が大きくならないと組織は保てないとした。6章「卓越性」:物語「優れた仕事とは」では、報道記者が仕事の「卓越性」についての自身の基準を維持するために苦闘する。経営陣への抗議が認められずに辞職した場面から物語が始まる。学生は、信念を持つ主人公の行動に尊敬するが自分には真似できないと一線を引き、優れた仕事の意味や個人の信念の追求よりも、組織や他者との関係を重視する傾向を顕著に示した。仕事とは、卓越性を追求する対象ではなく、自分の生活を築くための手段や社会的な保障を得るものであり、個人的な信念よりも所属する組織や社会の基準を重視するものと考えていた。2.対看護師:臨床で経験した倫理事例の記述・仲間と共有・対話を継続した。また、道徳的感性質問紙(MSQ)の日本版、および、職場環境質問紙を作成し、看護師210名に配布し(一部は病院看護部との協働)、141名から回答を得た(回収率67%)。次年度にかけ、データ分析、倫理的感性と職場環境との関連等を検討し、質問紙を精練する。発表予定:日本看護倫理学会岩手大会、国際看護倫理学会Surrey大会、日本生命倫理学会東京大会等。
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Research Products
(10 results)