2008 Fiscal Year Annual Research Report
インターネットテレビ電話を用いたリンパ浮腫セルフケアシステムの構築
Project/Area Number |
20390552
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Research Institution | Kyoto Municipal Junior College of Nursing |
Principal Investigator |
奥津 文子 Kyoto Municipal Junior College of Nursing, 看護科, 准教授 (10314270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 明子 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70282209)
江川 隆子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40193990)
赤澤 千春 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70324689)
山田 豊子 京都市立看護短期大学, 看護科, 教授 (40321054)
山本 多香子 京都市立看護短期大学, 看護科, 講師 (50442257)
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Keywords | リンパ浮腫 / セルフケア / テレビ電話 / 支援システム |
Research Abstract |
「リンパ浮腫患者のセルフケア行動とその支援についての実態、およびリンパ浮腫患者のセルフケア支援に関するニーズを明らかにする」という目的のもと、研究に取り組んだ。大学医学部付属病院「女性のこころと身体の相談室」に通うリンパ浮腫患者およびM'sリンパ浮腫治療室、京都市立病院、兵庫医科大学病院に通うリンパ浮腫患者で、質問紙に自力で答えることができる者のうち、研究協力が得られた125名を対象に、本年度の5月から12月に自記式質問紙調査を実施した。その結果、リンパ浮腫に関して何でも相談できる専門家の存在について、全くいないと答えた人が34名(31.2%)、いるが相談しにくいと答えた人が15名(13.8%)、相談できる34名(31.2%)、何でも相談できる26名(23.9%)だった。相談できる専門家がいると答えた人と、全くいない・いるが相談しにくいと答えた人との間に、マッサージや圧迫衣の装着・バンデージの実施といったセルフケア実施状況に有意差があり、専門家が存在する人はセルフケア実施状況も良好であることがわかった。専門家の介入頻度については、全くないと答えた人は41名(36.7%)、年に一度程度と答えた人は9名(8.3%)、半年に1〜2回程度が19名(17.4%)、ほぼ毎月が40名(36.7%)であった。専門家の介入が全くない人と毎月専門家のケアや指導を受けている人が同数で、両極端な状況であることがわかった。専門家による介入頻度の高い人(半年に1〜2回・ほぼ毎月)は、マッサージ・圧迫衣・バンデージの実施状況も良好であった。また信頼できる専門家が身近に存在し専門家の介入頻度が高い人は、セルフケアに対して否定的な認識を抱きにくいことがわかった。一方、専門家の存在や介入頻度と蜂窩織炎発症頻度との間には有意差は見られなかった。専門家支援は正しいセルフケアにつながり、その結果セルフケアの効果が認識でき、それがセルフケアの意欲を高めているのではないかと考えられた。セルフケアに付随する苦痛に対しても、専門家の介入頻度が高いほど適切な指導をタイムリーに受けることができるため、セルフケアに対し否定的な認識を抱きにくいものと考えられた。これらの結果について、日本医療リンパドレナージ協会学術大会および日本看護研究学会において発表した。さらに、アメリカにおけるリンパ浮腫ケアの実態を知る目的で、ハワイ州カピオラニ・メディカル・センターおよびセンター内に拠点を持つキャンサー・サバイバーのセルフ・サポート・グループ活動を見学し、知見を得た。
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Research Products
(2 results)