2010 Fiscal Year Annual Research Report
難治性疾患をもつ子どもの療育を巡る"家族移行"の概念化とケアプログラムの開発
Project/Area Number |
20390565
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
村田 惠子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (90105172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 雅子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (00453415)
久保 恭子 埼玉医科大学, 保健医療学部, 準教授 (10320798)
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Keywords | 家族看護学 / 家族移行 / 難治性疾患 / 子ども / 療育 / ケアプログラム / 小児がん / 看護師教育プログラム |
Research Abstract |
本研究は、難治性疾患をもつ子どもの療育を巡る家族移行を概念化し、家族移行ケアプログラムを開発する、また、移行期の家族を支援する看護師の教育プログラムを開発する事を目的とし、下記の成果を得た。 1. 難治性疾患をもつ子どもの療育を巡る家族移行の概念化とケアプログラムの開発 (1) 難治性疾患をもつ子どもの療育を巡る家族移行経験と移行プロセス:子どもの「病の兆に遭遇した家族の揺らぎ」から「病気経験と共に築く豊かな家族生活と家族アイデンティティ形成」への漸次発展する「難病をもつ子どもと共に生きる家族生活の再構築と家族アイデンティティの確立過程」を示した。影響要因として「家族の力と絆意識」と「社会の盾と繋がり」が見出された。 (2) 希少難病ムコ多糖症児の療育を巡る家族移行と支援プログラム試案:希少難病ムコ多糖症児をもつ家族の移行の転機を把握し、家族移行の危機時に求められる支援について検討しプログラムの概略を提示した。 (3) 先天性心疾患をもつ子どもの家族における診断時の家族移行の経験:子どもの家族の療育を巡る診断時の移行プロセスは、診断と同時に始まる急速な移行過程を経験し、子どもの生命維持を中心とした取り組みを通して、「切り換えていく力」を組み込みながら家族全体で子どもを育てていく体制を創りだしていた。 2. 小児がん発病初期の移行期における家族支援に携わる看護師教育プログラムの開発: 小児がん発病初期の家族支援における看護師の困難はジレンマ、家族との関係作り、危機状況の家族への関わり・家族支援であり、その解決のための学習ニーズは、知識と家族理解・家族の関わり方・家族支援方法・学習方略であった。これらに基づく看護師教育プログラムを試作し、その必要性、目的と方法の適切性、有用性を評価した結果、80~90%の支持を得た。一部修正と効果検証が今後の課題である。 学会発表2件(前分担・現協力者石川福江)
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Research Products
(2 results)