2010 Fiscal Year Annual Research Report
家族支援のための家族の抱く信念アセスメント指標の開発
Project/Area Number |
20390568
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石垣 和子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (80073089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 則子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (90280924)
法橋 尚宏 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60251229)
本田 彰子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (90229253)
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Keywords | 家族 / 信念 / ビリーフ / 看護 / 退院支援 |
Research Abstract |
家族の抱く拘束的信念が、家族看護実践場面でこう着状態をもたらすことに鑑み、家族の信念のアセスメント指標(以下、信念アセスメント指標)を開発し、日本の臨床の場での適用性を確かめることを目的とする。複数の看護専門領域のデータを統合した統合バージョンと専門領域固有バージョンのアセスメント指標を得る。(以下信念をビリーフと表現する) 取り上げる看護専門領域は、老年看護(認知症高齢者、非認知症高齢者)、精神看護、小児看護(障害児、患児)、がん看護、難病看護とした。各看護専門領域ごとに、既存の文献のメタ統合、および退院支援部署の看護師からの聞き取り、家族からの聞き取りを行って、ビリーフを導出した。次にそれを統合して看護専門領域を通底するビリーフと領域に特徴的なビリーフを明らかにした。 結論として、日本における家族のビリーフの根底には、おもなビリーフとして、【人と人との関係性に関するビリーフ】、【死と病に関するビリーフ】、【役割規範に関するビリーフ】、【介護者としての自己に関するビリーフ】があった。また、看護各専門領域特有のビリーフはこのおもなビリーフの下位カテゴリーとして構造化されることも分かった。 このビリーフの表し方は、カナダカルガリ大学のWright博士とBell博士が提唱してきたモデルとは異なる観点を含んでいる。それは、その社会的にありがちなビリーフの背景を念頭に置く内容となっていることであり、日本文化的な側面を表現しているともいえる。Wright博士とBell博士のイルネスービリーフモデルは優れているが、日本で看護実践するには日本文化への翻訳が必要である。この研究はイルネスービリーフモデルを日本で活用するための橋渡しになるものと考えている。今後はこのおもなビリーフを基盤としたビリーフの解説書を作り、現場への適応可能性を検証してさらに精錬していく予定である。
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Research Products
(3 results)