2009 Fiscal Year Annual Research Report
訪問看護師の医療行為への医師・看護者の裁量権に関わる認識とプロトコール作成
Project/Area Number |
20390576
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
齋藤 信也 Okayama University, 大学院・保健学研究科, 教授 (10335599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 佐由美 高知女子大学, 看護学部, 教授 (00172792)
藤田 佐和 高知女子大学, 看護学部, 教授 (80199322)
森下 安子 高知女子大学, 看護学部, 教授 (10326449)
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Keywords | 訪問看護 / 裁量権 / 死亡診断 / ナースプラクティショナー / 保健師助産師看護師法 |
Research Abstract |
『訪問看護師による医療行為に関する聞き取り調査』 平成22年3月現在、解析可能なデータは医師4名、訪問看護師4名からのものであり、その回答の内容分析によると、訪問看護師が実際に行っている医療行為の代表的なものは、排便の調節に関するアセスメントに基づく薬剤の選択・量の調整であった。ついで褥瘡ケアにおけるドレッシング材、塗布薬の選択が挙げられたが、デブリードマンについては、対応が大きく分かれた。精神安定剤、解熱剤、抗生剤についても対応が分かれた。特に訪問看護師間で対応が分かれたのが、看取りについてであり、相当な裁量権を持って死亡確認の後に医師の診断を待たず、死後の処置まで行っている施設もあれば、死亡確認・診断は医師の役割としている施設もあった。医師の側の調査から浮き上がったのは、「責任」の問題であり、裁量と責任が表裏一体であることから、看護師が責任を持つ体制であれば、能力のあるものが、現在医師にしか許されていない行為(例:死亡診断、処方)を行うことは是認できるという意見に集約された。またナースプラクティショナーのわが国への導入に関しては、医師は否定的、看護師は肯定的な意見が多くみられた。 『看護師の裁量権に関する文献研究』 文献検討の結果、もしわが国でナースプラクティショナーに類する職種を設ける場合、保健師助産師看護師法の総則にそうした職種を規定し、業務で業務独占をおき、現行の看護師と同じように、医師・歯科医師の除外規定を加えることで対応が可能なことが示唆された。また37条の医師法との関係は、現行のままでも対応可能であるが、後段の助産師の規程に準じた一文を挿入することで整合性がとれるものと思われた。即ち医師法の改正を伴うことのない導入の余地があると考えられた。
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Research Products
(14 results)