2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国内蒙古における土地条件の劣化プロセスと農牧民による環境利用形態の変容
Project/Area Number |
20401005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大月 義徳 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (00272013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 良平 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (90333781)
境田 清隆 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10133927)
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Keywords | 中国 / 内蒙古 / 土地条件劣化 / 砂漠化 / 環境地理学 |
Research Abstract |
継続的な調査実施地である呼和浩特市武川県地域において、定点ピンを基準としたガリー後退量の計測、気象・地温・土壌水分データの回収と観測装置の維持点検、固定カメラによる砂塵暴生起記録、土地利用の変化、および農牧家の生業行動と家計状況等を実施・把握した。同呼和浩特市内においては、都市近郊を中心に展開し始めた酪農業の地域的類型化の作業を実施し、その一類型である都市近郊の生態移民による集団酪農について、土黙特左旗において酪農民を対象とした聞き取り調査を開始した。 新たに設定した調査地のうち、内蒙古西部、烏海市・阿拉善左旗境界の烏蘭布和沙漠縁辺にては、近年の沙地前進状況を聞き取り調査により把握するとともに、沙地埋没河成段丘面の7.2〜8.7kaという14^C年代を示すこと、同時期以降の最小沙地前進量が約400mであることを明らかにした。併せて沙地前縁に位置する回族集落調査を開始し、近年における農牧家の生活形態変化と家計状況把握の端緒を開いた。 他方、内蒙古中部、渾善達克沙地付近における調査を本格化させ、同沙地を含む広域的範囲において衛星データの解析を行ない、植生指標の経年変化を明らかにした。併せて主として錫林浩特付近にて砂漠化の現況を視察し、社会経済統計データを取得した。植生地理学的視点においても、渾善達克沙地から北部高原地帯にかけて、年間降水量勾配に沿う人為的撹乱、とくに農耕や牧畜による変化、および草原植生劣化の実態を調査し、相互のかかわりを把握した。
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Research Products
(8 results)