2010 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯里山ガバナンスをめぐるステークホルダー間にみる利害関係とその背景
Project/Area Number |
20401012
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
市川 昌広 高知大学, 教育研究部・自然科学学系, 教授 (80390706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 真 東京大学, 農業生命科学研究科, 教授 (10232555)
島上 宗子 京都大学, 生存基盤科学研究ユニット, 研究員 (90447988)
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Keywords | 熱帯里山 / 先住民 / 熱帯雨林 / 生業 / イバン人 / ダヤック / 日本の里山 / 過疎高齢化 |
Research Abstract |
20年度から引き続き調査しているマレーシアのサラワク州、インドネシアの東カリマンタン州および中部スラウェシ州での調査および21年度から開始した熱帯里山との比較のために日本国内の里山利用についての調査を実施した。サラワク州においては、バラム川流域において進行しつつある、企業によるプランテーション開発、都市への人口流出に伴う過疎・高齢化、村人自身による村落開発の進展についてさらに上流部の状況を調査し、プランテーションをめぐって企業と村の間でみられる土地争いの状況を詳細に記述した。調査結果は、Borneo Research Bulletin誌に投稿中である。東カリマンタン州では、これまでの研究成果より、企業の直営農園による大規模な土地の収用と森林破壊を伴うPIR制度によるアブラヤシ農園開発の代替案として、企業を伴わないUPP制度により小規模分散型で高生産量のゴム園を造成し地域経済の向上を図りつつ、土地の収用と大規模な熱帯林の破壊の回避する「緩やかな産業化」による地域発展戦略を提言した。中スラウェシ州では、引き続きドンガラ県トンプ集落において、村人と周囲の森・自然との関係が顕著に顕れる儀礼や神話・民話の聞き取りをすすめた。その聞き取りと記録の成果を村人と共有するとともに、地元政府の政策(特に郷土教育のカリキュラム)に活かす方途について、調査を共同で進めた関係者と話し合った。日本の里山における比較は、高知県大豊町の一集落において全戸の大半を訪問し、これまでの暮らしの状況、今後の集落の将来についてのインフォーマルなインタビューを実施した。
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Research Products
(26 results)