2009 Fiscal Year Annual Research Report
激動する東アジアと琉球漢詩文~知識人の苦悩と思想~
Project/Area Number |
20401018
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
上里 賢一 University of the Ryukyus, 法文学部, 教授 (50101457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前門 晃 国立大学法人琉球大学, 法文学部, 教授 (60190287)
金城 宏幸 国立大学法人琉球大学, 法文学部, 准教授 (50274874)
比屋根 照夫 国立大学法人琉球大学, 名誉教授 (10045172)
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Keywords | 琉球漢詩文 / 東アジア漢字文化圏 / 交流史 / 知識人 / 思想史 / 冊封使 |
Research Abstract |
本研究の目的は、琉球の漢詩・漢文が、東アジア漢字文化圏の中でどのような特色を持っているかを明らかにすることにある。琉球の漢詩・漢文の成立と展開に、中国をはじめ日本・朝鮮・ベトナムなど東アジア漢字文化圏の国々がどのように関わり、どのような影響を与えたかを検討するために、本年度は、中国(上海、蘇州)・韓国(ソウル)・ベトナム(ハノイ、ホーチミン)において、関連資料の収集および調査を重点的に行なった。 中国における調査では、上海図書館・蘇州呉県図書館において琉球と中国の交流に関わる文献資料の調査と琉球漢詩文の資料収集を行なった。上海では、清代末期に発刊された新聞「上海新報」から、琉球と関わる記事をピックアップし、琉球に使者としてやって来た冊封使・従客などの詩文集などを収集した。蘇州では、呉県図書館所蔵古籍目録から、琉球および冊封使と関わりのある資料を確認し調査・収集を行なった。 韓国における調査では、ソウル市立中央図書館・ソウル大学奎章閣において、琉球と同じ中国の冊封体制下で朝貢国としての地位にあった朝鮮の進貢使の詩文集および、中国において朝鮮の進貢使と琉球の進貢使との交流に関する漢詩文資料の調査収集を行なった。また、琉球処分期の琉球関係資料の調査収集も行ない、資料を複写入手した。 ベトナムにおける調査では、琉球処分期の歴史状況や当時のベトナム知識人の動向などに関する調査および琉球と同じ中国の冊封体制下で朝貢国としての地位にあったベトナムの進貢使節の旅程および詩文集、中国北京における儀礼・参観・交際を詳細に紀録した資料や、ベトナムの進貢使と琉球の進貢使との交流に関する漢詩文資料の調査収集を行ない、資料を複写入手した。ホーチミン市では、潘佩珠や当時の歴史状況などに関する聞き取り調査を行なった。また、ハノイ市ハンノム研究院では、琉球漢詩文やベトナム・琉球使節の交流および琉球処分期の歴史状況に関する資料調査・収集を行なった。 本年度の成果としては、(1)国外の研究者との議論を深め、連携を強めることができた。(2)文献資料の調査・収集では新しい資料を発見し、大きな収穫を得ることができた。(3)潘佩珠の孫および関係ある人々への聞き取り調査により、当時の歴史状況などを詳細に確認することができた。以上の三点が挙げられる。
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Research Products
(6 results)