2009 Fiscal Year Annual Research Report
紀元前7千年紀におけるメソポタミア新石器社会の再編と古環境
Project/Area Number |
20401030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西秋 良宏 The University of Tokyo, 総合研究博物館, 教授 (70256197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小口 高 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (80221852)
鹿島 薫 九州大学, 理学研究院, 准教授 (90192533)
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Keywords | 新石器時代 / メソポタミア / 土器の起源 / 集落構造 / 農耕牧畜 / 古環境 / 井戸 |
Research Abstract |
本研究は、北メソポタミアにおいて紀元前7千年紀に生じた社会再編、環境変化の実態、ならびにその相関を実地調査で得たデータでもって解明することを目的としている。そのため、昨年に引き続き、シリア東北部、ハブール平原に位置するテル・セクル・アル・アヘイマル遺跡の発掘調査を実施した。前8千年紀末から7千年紀にかけての堆積を発掘して新石器時代社会の変化、古環境再構築に資する原データの採集を現地でおこなう一方、国内においても標本、資料の分析をすすめた。主な活動、成果は次のとおりである。 (1)300平米以上の範囲において発掘が進行したことから、集落構造の変遷を解明することが可能になった。500年間ほどの堆積中に20近い家屋建築面を認めた。ほとんど一世代ごとの室内利用空間の変化を追跡しうる高精細データであり、これをもとに社会構造の変化を推察することが可能になった。 (2)数十にのぼる放射性炭素年代解析結果が蓄積され、前7千年紀に生じた古環境変化と文化変化の対応を年代学的に跡づける絶好の基盤が得られた。これは北メソポタミア新石器時代遺跡最大の年代データベースである。これをもとに、土器が出現した時期、集落様態、古環境が変化した時期などを数十年単位の誤差で同定できつつある。 (3)前7千年紀の集落の床面、貯蔵穴、水路などから土壌を採取し、そこに含まれる微細植物化石を解析した。集落外から持ち込まれた雑草、家畜の糞に由来する植物もみられたことから遺跡周辺だけでなく周囲の植生、その変化を考察する手がかりが得られた。
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[Presentation] Abundant plant remains from a Natufian burnt building at Dederiyeh Cave, Northwest Syria.2009
Author(s)
Tanno, K., G.Wilcox, M.Ishii, I.Fukumoto, H.Nakata, M.Yoneda, Y.Nishiaki, Y.Kanjo, S.Muhesen, T.Akazawa
Organizer
International Symposium on The Natufian Culture in the Levant II.
Place of Presentation
Institut National de' Histoirede l'Art, Paris, France
Year and Date
20090907-20090911
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