2008 Fiscal Year Annual Research Report
フランス公立初等学校における教育方法革新運動の系譜―学校とコミュニティの協働―
Project/Area Number |
20402058
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Fukuyama Heisei University |
Principal Investigator |
赤星 まゆみ Fukuyama Heisei University, 福祉健康学部, 教授 (50150975)
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Keywords | 教育学 / フランス / 教育改革 / 教育方法 / 学力 / 新教育 / 初等教育 / 幼小連携 |
Research Abstract |
本研究は、20世紀後半のフランスの公立初等学校における教育方法革新運動が実験学校を中心に展開され、以後の教育政策に大きな影響を与えたこと、とくにそのような革新的試みはコミュニティの協働として実現されてきたことを検証しようとするものである。初年度の取組は次の通りである。 1.最近の初等教育政策の動向を明らかにするため、政府のいくつかの文書を検討した(日本比較教育学会第44回大会研究発表「フランスにおける幼小教育の連続性-小学校の落第問題と教育システムの改革を通して-」)。あわせて、ベントリラの「保育学校:言語的社会的不平等の最前線」レポートの翻訳作業を進めた。 2.平成20年12月と平成21年4月、5月(繰越のため)の3回、それぞれ約2週間の実地調査を行った。結果は次の通りである。 (1)教育行政関係者からの聞き取りにより現在の政策動向を確かめた。 (2)公立初等学校(実験学校等、特別な教育方法革新の実践を行う学校)の教育実践の観察、及び校長や教員への聞き取り調査によってその特徴を把握することができた。 (3)ヴィトルーヴ学校では、学校評議員会を参観するなど、学校と地域の関わりを確認できた。 (4)ヴザンシー学校では、山村部小規模校の異学年学級編成と地域との関係を調査できた。 (5)フランス新教育グループ(GFEN)全国本部で、20世紀後半の新教育運動の流れと実験学校の展開、教育政策への影響について聞くことができた。 (6)グルノーブル市では、過去30年間の実験学校を担った教員たちにインタビューし、その実験学校の歴史と困難について知ることができた。また、いくつかの保育学校を見学し、今日の教育課題について聞き取りをした。 (7)研究対象校と来年度以降の研究とその方法について協議した。
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