2010 Fiscal Year Annual Research Report
教育の政策改革を質的改善につなげるための国際協力のあり方に関する研究
Project/Area Number |
20402061
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 和浩 広島大学, 教育開発国際協力研究センター, 教授 (70432672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 則博 広島大学, 教育開発国際協力研究センター, 教授 (80274140)
日下部 達哉 広島大学, 教育開発国際協力研究センター, 准教授 (70534072)
岡村 美由規 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (50467784)
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Keywords | 国際教育協力 / 教育改革 / 教育政策 / 教育開発 / 国際情報交換 / アフリカ / アジア |
Research Abstract |
本研究は、途上国の教育改革のあり方と新しいモダリティによる国際教育協力の実態を把握した上で、途上国の教育政策・教育改革が教育現場での実際的な教育改善に繋がる道筋を示すことを主な目的としている。 本年度は、研究組織構成員(代表者・分担者)、ブルキナファソ、ガーナ、インド、マラウイ、タイ、ベトナム各大学の研究チームがそれぞれ策定した研究計画および研究の進捗について会議を通じて検討を行った。この結果を踏まえ、各国の教育の質にかかわる課題と政策につき分析し、昨年度までに合意した共通テーマ:分権化のもとで実施される学校への直接的資金助成が教育現場での質改善にどう貢献しているか、について研究を実施した。 また、調和化等の援助効果向上パリ宣言の原則を忠実に実践する国際的支援機構であること、政策枠組のでき上がり具合を支援の判断基準とすること、プロジェクト型による個別の課題を解決するのでなく包括的な政策課題を財政支援を主な手段として解決しようとすること、などを特徴とする「万人のための教育」ファスト・トラック・イニシアティブ(FTI)が、途上国の教育改善に繋がるかどうかについて昨年度までに続いて考察を加えてFTI申請の際の審査過程を分析することを通じ、問題性を指摘する論文を執筆した。 これらの事例研究と援助動向の分析を通じて、途上国が抱える教育課題に関する政策が教育現場の質的改善をもたらしているかどうか、その道筋と合わせて検証する上で、制度変更を伴うような地方分権化、学校の権限強化に係る具体的な施策を特定し、この実施状況を分析しつつ教育の質改善への貢献の有無を確認することが有効であること、またその際に考慮すべき事項を示すことができた。 研究最終年度として、これまでの3年間の研究成果を報告書としてとりまとめ、製本、印刷して関係者に配布した。
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Research Products
(4 results)