Research Abstract |
ヤシ類による糖・デンプン生産とそのための管理について把握するために,2009年8月23日から9月4日まで,マレーシア国ボルネオ島のサラワク州で調査を行った.また,シンガポール植物園で糖を採取するヤシを観察した.1.ニッパヤシ:糖を採るニッパヤシについては花枝からの樹液採取に関する調査を行った8月27-29日に,サラワク州クチン市郊外のサマラハン川河口近く,ニッパヤシが優先するマングローブ林内で調査した.また,樹液採取しているニッパヤシに関して形態的な調査を行い,さらに樹液の調査とサンプリングを行った.帰国後,糖の分析を行っている.また,現時点のデータで,糖の生産力を推定した.2.サゴヤシ:デンプン原料作物であるサゴヤシについてはバイオマス生産に関して継続調査できるように,昨年度,サラワク州ムカ近郊のサゴ農園内に設定した圃場で,8月31目-9月2日に,生育特性と管理について調べた,サゴヤシの生育調査を行い,昨年度の結果との比較を行い,サッカーの成長量を調べた.また,サゴ樹からデンプン蓄積に関連する内部組織をサンプルし,帰国後,組織形態を調べた.さらに,永続的な栽培を目指した管理体系を考えるため,サッカーコントロールの状態を調べ,解析した.3.シンガポール植物園において,糖を採ることもあるヤシ類を調べた,その結果,Caryota no, Corypha umbraculifera, Corypha utan, Mauritia flexuosa, Raphia taedigera, Wallchia distichaなどのヤシを観察することができた.しかし,幼植物が多く,糖を採る器官である花序の観察は充分にできなかった.
|