Research Abstract |
ヤシ類による糖・デンプン生産とそのための管理について把握するために,2010年6月25日から7月8日まで,マレーシア,ボルネオ島のサラワク州で,また,10月20日から26日までインドネシアで調査を行った 1.ニッパヤシ:糖を採るニッパヤシについては花枝からの樹液採取に関する調査を行った.6月27-29日と7月5、6日に,サラワク州クチン市郊外のサマラハン川河口近く,ニッパヤシが優先するマングローブ林内などで調査した.また,樹液採取しているニッパヤシに関して形態的な調査を行い,さらに樹液の調査とサンプリングを行った.帰国後,糖の分析を行っている.2.サゴヤシ:デンプン原料作物であるサゴヤシについてはバイオマス生産に関して継続調査できるように,一昨年,サラワク州ムカ近郊のサゴ農園内に設定した圃場で,7月1-4日に,生育特性と管理について調べた.サゴヤシの生育調査ではサッカーの成長量を調べ,帰国後,生長を解析した.3.糖採取を目的に栽培されているサトウヤシとココヤシ,パルミラヤシについて,樹液の採集方法と,得られた糖に関して調査した. 以上から,糖採取のために栽培されるココヤシ,サトウヤシ,パルミラヤシでは,1樹当たりの糖生産量は高いが,採液に手間がかかり,また,採液する花房の位置が高く,雨天などでは危険で採液出来ないことが多いなどで,結果的に採液にコストがかかり,バイオエタノール原料としては適していないことが考えられた.一方,サゴヤシからのデンプンは比較的安価に生産されており,管理方法の調査から永続的な生産の可能性が高いことが推察された
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