2008 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジア天水田のヘテロな水環境での多面的機能と稲作改良モデルの構築
Project/Area Number |
20405019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鴨下 顕彦 The University of Tokyo, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (10323487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 順子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (60191219)
黒倉 寿 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50134507)
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Keywords | 環境調和型農林水産 / 熱帯農学 / 農業人間学 / 農業経済学 / 生態学 |
Research Abstract |
本研究は、農業近代化が遅れているアジアの後発国カンボジアで、水田のヘテロな水環境と農業生態系の多面的機能や環境負荷を明らかにし、農家の順応的管理の実態を空間的な情報と共に明らかにし、天水田での稲作改良と持続的食糧生産のモデル構築を目的とする。代表者(鴨下)は、研究員(荒木博士)を8月から採用し、本学博士課程への留学生(Nguyen氏)を10月より受け入れ、6月と8月の訪問により、カンボジアでの4つの調査地(旱魅頻発天水田地域、灌漑修復水田地域、増水田地域、SRI農法グループ養成地域)を決定した。関連地図を入手し、GPS調査により調査地近傍概略地図を作成した。各調査地域の中で、重点調査水田(合計約80)を選定し、10月、11-12月、2月、3月の訪問により、多面的機能のうち生態系サービス(水田水産、有用樹木など)を記録し、栽培法、稲生育・生産、湛水深の季節的変異を調査し、一部を除いて耕作者を同定した。また、イネの水分状態を測定するための赤外線温度計を輸出する許可を取得した。分担者(黒倉)から、カンボジア小規模水産に関する先行研究の情報を入手し、分担者(山岸)の協力を得て日本での圃場試験を行い、穂の構造解析について協力を得た。連携研究者(小島)から、カンボジアでの森林管理に関するセミナー等の情報を入手し、連携研究者(池本)から、家計調査のための助言と、ケイパビリティの評価方法について協力を得た。200項目に及ぶ土地利用・栽培技術・家計・多面的機能に関する質問票を作成し、対象地域での予備調査と村の主要メンバーとのグループディスカッションを行った。灌漑修復地域で、農業局と小学校の協力を得て、都市部と村の小中学校の生徒に、絵による景観評価をした。
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