2009 Fiscal Year Annual Research Report
健康機能性を有する食用野生植物資源についてのブータン王国における現地調査
Project/Area Number |
20405022
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松島 憲一 Shinshu University, 大学院・農学研究科, 准教授 (30359731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 峰夫 信州大学, 農学研究科, 教授 (30174098)
根本 和洋 信州大学, 農学研究科, 助教 (20293508)
藤田 智之 信州大学, 農学研究科, 教授 (10238579)
濱渦 康範 信州大学, 農学研究科, 准教授 (90283241)
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Keywords | ブータン王国 / 食用植物 / 野生植物 / 機能性 / 健康効果 / 伝統的知識 / 現地調査 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
2009年5月7~17日にブータン王国東部2県2カ所,南東部2県4カ所,西部2県2カ所において農村住民もしくは市場の販売員より食用野生植物利用についての聞き取り調査と標本採取を行った。結果,種子植物45科78種,シダ植物3科8種が同定されたが,一部は種の同定に至らなかった。また,これらの中には健康効果が信じられている植物もあり,例えばキツネノマゴ科のPhlogacanthus thyrsiformisは解熱作用があるとされ,ノウゼンカツラ科のOroxylum indicumは体の痛みの軽減、グミ科のElaeagnus parvifoliaは下痢に,トウダイグサ科のPhyllanthus emblicaは風邪や咳に,スズラン科のTupistra wattiiは体の痛み、咳、風邪、頭痛に,イラクサ科のGirardinia diversifoliaは関節痛や高血圧にそれぞれ効果があると信じられていた。次に現地で食用とされるアスパラガス野生種のAsparagus racemosusの機能性成分測定(ルチン)に向けた最適試料調整方法を明らかにするための試験を昨年に引き続き栽培種A.officinalisで行ったところより詳細な熱風乾燥条件が明らかになった。また,DNA抽出のための予備試験も行った。今回,ブータン王国農業省事務次官と直接交渉を行ったが,両国間のMTAの締結には至らなかった,本結果は次年度以降のサンプリング・成分分析に活用することとする。なお,本課題の一環として本学において10月15日に「信州大学農学部国際セミナー2009『ブータン王国にRNR(Renewable Natural Resources)利用にもとづく持続的発展』」を開催し,ブータン農業省から二名の幹部職員を招聘し,申請者を含む二名の国内研究者とともにセミナーを行った。個々の講演については信州大学紀要にプロシーディングスとして掲載した。
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Research Products
(5 results)