2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒ素による癌原遺伝子産物の三次元構造の修飾を介した発癌機構の解明と予防法の開発
Project/Area Number |
20406003
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
加藤 昌志 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (10281073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大神 信孝 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (80424919)
川本 善之 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (10410664)
山ノ下 理 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (50424924)
後藤 友二 中部大学, 生命健康科学部, 助手 (70362522)
伊田 みちる 中部大学, 生命健康科学研究所, 助教 (80393148)
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Keywords | ヒ素 / 重金属 / 癌遺伝子産物 / matrix metalloproteinase / 抗酸化剤 |
Research Abstract |
【海外フィールドワーク】 バングラデシュにおいて、ヒ素汚染地域及び非汚染地域の飲用井戸水を採取した。その後ICP-MSを用いて飲用水に含まれる重金属能を解析した。 1)汚染地域飲用井戸水(n=15)のヒ素濃度は平均で水質基準値の25-30倍に達した。 2)汚染地域飲用井戸水(n=15)の鉄濃度は平均で水質基準値の6-7倍に達した。 3)非汚染地域飲用井戸水(n=10)のマンガン濃度は平均で水質基準値の4-5倍に達した。これらの結果は、現在でも飲用井戸水のヒ素汚染は継続していることを示している。さらに、非ヒ素汚染地域の井戸水でも、決して水質基準を満たす安全な飲用水とは言えないことが判明した。 【重金属除去剤の開発】 ヒ素や鉄等の重金属の新規除去剤の開発を工学部との共同研究として開始した。試作を重ねることにより、ヒ素の水質基準(10μg/L)を満たす浄化剤の開発に成功した。 【重金属の発癌毒性解析】 1)ヒ素がRET-PTC1癌遺伝子産物の特定のアミノ酸を標的として作用する可能性をLC-MS等を用いて検討している(現在、まだ最終的な結論には至っていない)。 2)新規の抗酸化剤を用いて、ヒ素による癌遺伝子産物の活性化を抑制することに成功した。 3)ヒ素がMatrix metalloproteinase-14 (MMP-14)の発現促進を介して活性型MMP-2の生成を亢進することを見つけた。一方、ヒ素がMMP-2分子に直接作用して活性型MMP-2を誘導する作用は、同濃度の水銀に比較して弱かった。 3)海外フィールドワークでの飲用水重金属濃度の解析結果を基に、ヒ素が鉄と共存することにより、MMPの発現を更新させる可能性を発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(8 results)