2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒ素による癌原遺伝子産物の三次元構造の修飾を介した発癌機構の解明と予防法の開発
Project/Area Number |
20406003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 昌志 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10281073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山ノ下 理 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (50424924)
後藤 友二 中部大学, 生命健康科学部, 助手 (70362522)
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Keywords | ヒ素 / 癌遺伝子 / システイン / 発癌 / 国際研究者交流 / バングラデシュ / ベトナム / マレーシア |
Research Abstract |
【背景】バングラデシュ・ベトナム・台湾等のアジア地域において、井戸飲用水のヒ素汚染により、数千万人以上の慢性ヒ素中毒患者が発生していると報告されている。現在、慢性ヒ素中毒患者から多数の癌患者が発症しており、事態はさらに深刻になっている。しかし、ヒ素誘発癌の予知・予防に有効な検査・治療法はほとんどない。ヒ素を含む飲用井戸水の浄化を推進するだけではなく、ヒ素誘発癌の分子機構を解明し、新しい予防療法を開発することが急務である。 【目的】アジア各地において、井戸水の環境モニタリングを行い、ヒ素およびヒ素以外の有害元素の汚染のレベルを把握する。さらに、ヒ素を介する癌原遺伝子および癌遺伝子の活性化による発癌の機構を解明し、ヒ素誘発癌に対する新しい予防療法の開発につなげる。 【成果】本研究では、まず、井戸水におけるヒ素を含めた種々の元素濃度を調べた。次に、ヒ素が癌遺伝子産物の細胞内領域にある特定のシステインをターゲットに作用し、癌遺伝子産物の三次元構造を修飾し、活性化を誘導することにより、発癌を促進する可能性を示した。最後に、本機構に基づいて、L-システインの投与により、ヒ素による癌遺伝子産物の三次元構造の修飾を介した活性化機構を抑制することにより、ヒ素誘発癌を予防できる可能性を示した。 【結論】ヒ素が遺伝子のみならず蛋白質レベルでも作用し、癌原遺伝子および癌遺伝子産物の活性を亢進させることにより発癌を誘導する新機構を提案するとともに、本機構に基づき、ヒ素誘発癌の新規予防療法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)