2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20406010
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
木村 英作 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70153187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
伊藤 誠 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90137117)
高木 秀和 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90288522)
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Keywords | フィラリア症 / 免疫診断 / 尿 / IgG4 / 象皮病 |
Research Abstract |
我々は、血液の代わりに尿を用いるフィラリア症診断法(尿ELISA)の有用性を報告してきた。一方、WHO主導による世界的フィラリア症(F症)征圧計画は、年1回の集団治療(MDA)の実施により着実に成果をあげており、感染率の大幅な減少を達成した地域も多い。今後は、F症根絶の確認、再燃の発見が重要課題となるが、MDA後の低感染地域では感度の高い診断法が必須である。尿ELISAが必要な感度を持っていることを確認する必要がある。また、尿ELISAは万能ではなく、それを補完する検査法の開発も重要である。 (1) スリランカの2村(5回のMDAによりミクロフィラリア感染率<1%を達成)において、尿ELISAと世界標準とされるICT test(抗原検出)の感度を比較した。近年の感染を示す10歳以下の小児において、前者がより高い感度を示したことにより、尿ELISAの有用性が再確認された。 (2) F症の報告がないスリランカの2村で尿ELISAによる疫学調査を実施した。両村ともに抗体陽性率は2%以下であった。フィラリア症の伝搬は存在しないものと考えられる(追跡調査は必要)。 (3) ELISA法は機器を要するため、途上国の現場では使用が難しい。尿を検体とし、目視により特異抗体の有無を判定するビーズ法を開発した。バングラデシュで、その感度、特異性の検討を行うとともに、疫学調査を実施した。ビーズ法は、尿ELISAにはやや劣るもののICT testよりは高い感度が得られた(特異度は100%)。また、スリランカの尿検体でも同様の結果が得られた。 (4) 従来、F症の伝搬を知るため多数の媒介蚊を解剖しフィラリア幼虫を検出する方法が用いられていた。我々は、60匹の蚊の中に1匹のミクロフィラリアが存在すればそのDNAを検出できるLAMP法を開発した。すなわち、一度に60匹の蚊を検査することにより効率よくフィラリア伝搬の実態を把握できる。
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Research Products
(13 results)