2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20406010
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
木村 英作 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70153187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
伊藤 誠 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90137117)
高木 秀和 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90288522)
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Keywords | フィラリア症 / 免疫診断 / 尿 / IgG4 / 象皮病 / 国際研究者交流 / スリランカ |
Research Abstract |
世界フィラリア症制圧計画(GPELF)が進行し、スリランカでは感染率が大幅に減少した。住民はフィラリア<F>症の重要性を次第に認識しなくなりつつある。現在GPELFの重要な課題は、根絶の確認と再燃の発見・防止であるが、従来の集団採血による診断に住民は抵抗感を強めつつある。我々は、尿免疫診断+媒介蚊調査が集団採血に代わる可能性を追求している。 1.予定の集団治療が完了すれば、<F>感染は本当に消滅するのか?治療により感染率が急激に減少した二つの地域(ワルガマ、ウナワツナ)で、確認のための追跡調査を実施中である。 2.根絶には、<F>感染地の見落しがあってはならない。ラツナプラ県に疑わしい地域が発見されたため尿診断などを用い確認中である。また、かつての紛争地域内で感染調査を実施するための準備を進めている。なお、「疑わしい地域」は質問票調査で識別する。ハンバントタ県の村長576人より質問票で患者情報を得ると共に医師による診察を実施し、住民情報が医師の診察結果とよく一致することを確認した。 3.LAMP法を野外調査に応用し、<F>感染蚊が存在する地域を発見した。効率よく蚊を採集するため、現在グラビッド・トラップ(CDC)を用いた基礎実験が行われている。 4.目視で判定できる尿免疫診断法(ビーズ法)を野外(スリランカ)で評価し94.1%の感度、97.5%の特異度が得られた。また、0~15才の小児でビーズ法は、ICT抗原検出法より有意に高い陽性率を示した。ビーズ法は機器を要しないので途上国の野外調査に有用である。
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