2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗HIV多剤併用療法とHIV感染者の性行動-タイ東北部における追跡調査
Project/Area Number |
20406017
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Section | 海外学術 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 廉毅 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 教授 (70178341)
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Keywords | HIV感染者 / AIDS患者 / 抗HIV多剤併用療法 / 性行動 / 感染予防 / カウンセリング |
Research Abstract |
本研究では、多数のHIV感染者を抱えるタイ国を調査地として、抗レトロウイルス薬の多剤併用療法(以下、抗HIV多剤併用療法)を受けるHIV感染者を対象に、(1)症状改善による生活習慣や性行動の変化やこれらに関連しうる要因を追跡調査し、(2)それらに対応した生活支援や感染予防教育のあり方を検討することを目的としている。初年度のため、まず当該研究を実施するための調査地(タイ国東北部コンケン)における研究体制の構築とコホート群の形成等を実施した。また、対象病院を管轄するタイ国保健省に研究倫理申請を行った。研究の調査対象者は上記の地域の医療機関で、抗HIV多剤併用療法を受けるHIV感染者である。調査項目は、(1)対象者の属性及び社会経済的要因、(2)対象者の主観的健康感や他の疾病の羅患状況、(3)対象者が受けたカウンセリングや健康教育、患者支援、(4)抗HIV多剤併用療法の状況、ならびに(5)調査対象者の過去数ヶ月間における性行為の頻度、性行為の相手、コンドーム使用状況などであるが、研究倫理審査の最終結果に応じて必要な変更を加えることで調査地の研究協力者らと申し合わせている。また、対象者数約300名を確保するため、当初予定していた病院に加えて、同地域の郡病院(総合病院で専門的治療を受けた患者が、継続的なフォローアップを受けるために紹介される医療機関)数カ所に対して調査協力の追加依頼を行った結果、予定対象者数についてははば確保できる見通しがついた。上記の追跡調査の立ち上げに加えて、研究初年度であることから、抗HIV多剤併用療法を受けるHIV感染者の性行動等に関する研究の包括的レビューも実施した。
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