2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗HIV多剤併用療法とHIV感染者の性行動-タイ東北部における追跡調査
Project/Area Number |
20406017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 廉毅 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70178341)
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Keywords | HIV感染者 / AIDS患者 / 抗HIV多剤併用療法 / 性行動 / 感染予防 / カウンセリング |
Research Abstract |
タイ国東北部コンケン県において、調査協力の得られた保健省立病院20箇所において、ベースライン調査を実施した。調査対象者は、2009年1月以降に抗HIV多剤併用療法を開始した18歳以上50歳未満の者である。調査については、タイ国保健省及び研究代表者の所属機関の研究倫理審査の承認を受けた。また、調査対象者からはインフォームドコンセントを得た。質問票に基づくインタビュー調査と自記式質問票による調査を行った。調査項目は、(1)対象者の属性及び社会経済的要因、(2)対象者の健康状態、(3)対象者が受けたカウンセリングや健康教育、患者支援、(4)抗HIV多剤併用療法の状況、ならびに(5)調査対象者の過去数ヶ月間における性行為の頻度、性行為の相手、コンドーム使用状況などである。 総数で327人(男性171人、女性156人)について調査を実施した。327人中151人が、調査前3ヶ月間に性行為をしたと回答した。また、配偶者、恋人など特定のパートナーとの性行為をした者は139人であり、その際のコンドーム使用頻度は、毎回109人(78.4%)、時々22人(15.8%)、全くない8人(5.8%)であった。コンドームを毎回使用しなかった理由には、コンドームがなかった(5人)、忘れた(4人)、パートナーもHIV陽性(4人)、子供がほしい(2人)などであった。医療者によるカウンセリングは9割以上の者が受けていた。コンドームの使用頻度に関連する要因について分析をしたところ、「UC以外の医療保険に加入」、「友人にHIV感染を伝えていない」、「NGOからの支援を受けていない」などが、コンドームの毎回使用と5%水準で有意に関連していた。追跡調査においては、性行為とコンドーム使用の頻度の変化及びその関連要因についてさらに検討を行う予定である。
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Research Products
(2 results)