2012 Fiscal Year Annual Research Report
抗HIV多剤併用療法とHIV感染者の性行動-タイ東北部における追跡調査
Project/Area Number |
20406017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 廉毅 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70178341)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | HIV感染者 / AIDS患者 / 抗HIV多剤併用療法 / 性行動 / カウンセリング |
Research Abstract |
本研究の目的は、多数のHIV感染者を抱えるタイ国を調査地として抗HIV多剤併用療法を受ける者を対象としたコホート群を立ち上げ、(1)コホート群を追跡調査することにより、症状改善による生活習慣や性行動の変化、性行動に影響を与える要因を明らかにし、(2)これらに対応した生活支援や感染予防のあり方を検討することである。なお、本研究では倫理的配慮に基づいて対照群(非治療群)は設定しなかった。本研究実施にあたってタイ国保健省の倫理委員会と東京大学医学系研究科の倫理委員会より承認を得た。 2009年~2010年にタイ国東北部コンケン県において抗HIV多剤併用療法を受けている18歳以上の者を対象にしたベースライン調査(調査実施者数 337人)を実施した。調査項目は、(1)調査時点における対象者の主観的健康感や他の疾病の罹患状況、(2)HIV感染に係わる症状や検査値、(3)抗HIV多剤併用療法の状況および薬剤の副作用等である。 2010~2011年に第2回調査を実施し、追跡対象者のうち、233人から回答を得た(追跡回収率69%)。初回調査時の項目に加えて、前回調査時以降の性行為の頻度、性行為の相手、安全な性行動(コンドーム使用状況等)などを調査した。 2012年に第3回調査を実施し、追跡対象者のうち、146人から回答を得た(最終追跡回収率43%)。その結果、3回の調査をとおして、全体として性行動の頻度および相手の人数について変化は少なく、安全でない性行動の増加も見られなかった。また、9割以上の者が医療機関でカウンセリングを受け、コンドームの常時使用を勧められていることが確認された。しかし、性的パートナー間におけるHIV感染予防行動の違いが3回の調査をとおして徐々に拡大しており、このことに関する注意喚起が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)