2010 Fiscal Year Annual Research Report
韻律制御可能な電気式人工喉頭の訓練プログラム開発研究
Project/Area Number |
20500163
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小池 三奈子 北里大学, 医学部, 悲常勤講師 (50276177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粕谷 英樹 宇都宮大学, 工学研究科, 名誉教授 (20006240)
菊地 義信 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (20091944)
堀口 利之 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (30157078)
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Keywords | 電気式人工喉頭 / 韻律 / ピッチ制御 / リハビリテーション |
Research Abstract |
ピッチ制御可能な電気式人工喉頭(PC-EL)によるピッチ変化が妥当であるかどうかを客観的に見ることや、練習を効率的に行うために、パーソナルコンピュータを使ったピッチ制御可能な電気喉頭のための練習プログラム(ドリル)を作成した。 また、PC-ELの実用性を推測する資料を得るために、PC-EL音声とピッチ固定型電気喉頭(PF-EL)の音声とを聴覚心理学的に比較した.発話者は昨年度までに開発した訓練プログラムに基づいて2週間練習した男性喉頭摘出者1名。電気喉頭はユアトーンII、及び、ピッチ操作ユニット(試作品)。音声資料は状況絵説明、模擬対話文音読1,2、感情表現文音読1,2の3課題5題。PF-ELとPC-ELで発話した音声を録音し、健常学生20名に提示した。各課題において、肉声の発話への近さの程度、楽に聞ける程度(状況絵)、楽に会話できそうな程度(対話文)、感情表現の程度(感情文)をVASで評価させ、次に、形容詞10対について6段階評価を行わせ、統計的分析を行った。PC-EL音声のピッチレンジは144~282centと狭く、東京方言のピッチ制御を実現できたアクセント句の割合は0.29~0.67だった。VAS1項目目「肉声の発話への近さ」については,対応のあるt検定で,対話文2を除く全ての発話課題においてPC-EL音声の評価がPF-ELよりも有意に高かった.形容詞10対を用いた6段階評の全ての発話課題を合計した平均の比較では,PC-ELの評価が有意に高かった.発話課題別では,10対全ての平均の比較において,対話文1,感情表現文1,2で有意差を認め、多くの発話課題で有意差および有意傾向を認めた。今回のPC-EL音声は東京方言の韻律を実現していないピッチ曲線を一部に含むもののPF-ELよりも有意に高い評価が得られ、訓練法やPC-ELの実用性を裏付ける一つの資料と考えられた。
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Research Products
(1 results)