2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500356
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
田村 了以 University of Toyama, 医学薬学研究部(医学), 教授 (60227296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永福 智志 富山大学, 医学薬学研究部(医学), 准教授 (70262508)
杉森 道也 富山大学, 医学薬学研究部(医学), 助教 (20464026)
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Keywords | サル / 海馬 / 歯状回 / 神経活動 / 脳波 / 霊長類 / 睡眠 / 学習・記憶 |
Research Abstract |
従来,睡眠と記憶との関連性が指摘されてきた.本研究の目的は,サルを用い,記憶形成の首座とされる海馬体の神経活動やシナプス可塑性(長期増強(LTP)の誘導・維持)を覚醒時と睡眠時で比較・解析することにより,霊長類の記憶形成・貯蔵における睡眠の機能的意義とそのメカニズムを明らかにすることである.そのため今年度はまず,近赤外線光による照明を用いてCCDカメラにより生理的な睡眠状態のサルの画像を連続的にモニターすると同時に,皮質脳波,海馬脳波,眼球電図および筋電図を連続記録するデータ収集システムを開発した.次に睡眠ステージ(レム睡眠やノンレム睡眠)の海馬脳波活動への影響を明らかにするため,貫通路(海馬歯状回への入力線維)に刺激電極を,海馬体歯状回に電場電位(脳波)記録電極を慢性埋め込みしたサルを実験室内に設置したケージに入れ,夜間に睡眠をとる順化訓練を行った.その後,上記のデータ収集システムを用い,このサルが睡眠しているときの脳波を記録し,睡眠ステージによる海馬脳波活動の変化に関する解析を開始した.今年度はデータ収集システムの解析にかなりの時間を要したため,実験データの蓄積は少ないが,入眠時には皮質脳波が除波化するとともに海馬脳波に鋭波が出現する傾向,および,レム睡眠時には覚醒脳波に似た波形が出現する傾向が見られ,本実験系の妥当性がほぼ保証されたと考えている.来年度は,さらにデータを蓄積するとともにLTP誘導・維持に関する研究にも着手する予定である.
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Research Products
(5 results)