2008 Fiscal Year Annual Research Report
画像相関法を用いたひずみ解析による皮質骨の拡散性微小損傷の進展評価
Project/Area Number |
20500399
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
菊川 久夫 Tokai University, 情報デザイン工学部, 准教授 (50246162)
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Keywords | 皮質骨 / 破壊じん性 / リモデリング / 画像相関法 / ひずみ分布 / 微小損傷 / 破壊挙動 / 骨折 |
Research Abstract |
骨の力学試験で現れる剛性の変化は、骨の微細な損傷により生じると考えられ、リモデリング活動の指標に用いられている。しかし、線形微小き裂のみからこの変化を説明することはできないようである。そのため、骨の微小損傷の挙動がひずみ分布との関係で定量化されれば、骨のリモデリング機構が明らかとなり、各種骨疾患の治療や骨とインプラント間の緩み対策などにも貢献すると考えられる。本研究では、これらひずみ分布の測定を、開発した画像相関法プログラムを用いて行った。画像相関法は、ひずみゲージなどを用いて行うひずみ測定に比べて、画像を用いるため、詳細なひずみ評価が可能であるが、この手法による骨のひずみの評価事例はほとんど見あたらない。また、ひずみ分布とリモデリング活動の対応が定量化されれば、これを骨折シミュレーションに応用することで、骨接合・骨折予測の可能性が高まるであろう。実験には一定年齢の骨が容易に入手でき、静的引張および圧縮特性に関して人間に近いとされている生後20から24ヶ月のウシ大腿骨用いた。試験片を大腿骨骨幹部の皮質骨とし、購入時冷凍状態にあるこれらの骨を、内部の骨髄および表面に付着している軟部組織を除去して試料とした。三点曲げ破壊じん性試験はASTM E399-90に準拠して行った。試験片形状は梁状とし、試験片幅はW=4mmで、長手方向が骨軸と平行となるように機械加工により作製し、さらに骨軸方向と垂直(周方向)にa/W=0.5となるようにスリット(長さa=2mm、幅1.2mm、先端角30゜)を導入した。試験には、卓上材料試験機を用い、自家考案の三点曲げ破壊じん性試験片固定治具に試験片を固定し試験に供した。支点間距離は16mmとし、試験片に設けたスリットの反対方向より荷重を加えて試験を行った。実験中の観察画像から、画像相関法により骨のひずみ分布を評価することに成功した。解析結果の妥当性については現在検討中である。
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