2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋衛星細胞活性化とMyoDファミリー発現を指標とした至適運動負荷量の設定
Project/Area Number |
20500441
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山崎 俊明 Kanazawa University, 保健学系, 教授 (00220319)
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Keywords | 筋衛星細胞 / MyoDファミリー / 運動負荷強度 / 骨格筋 |
Research Abstract |
本年度は、運動負荷強度の違いによる骨格筋衛星細胞活性化およびMyoDファミリー発現への影響を調べた。MyoD mRNA、Myogenin mRNAおよび増殖細胞核抗原(PCNA)mRNA発現量を指標として、正常ラットを用いて検討した。運動負荷は小動物用トレッドミルを用い、先行研究条件を参考に、16度下り坂で30分間連続走行を実施した。走行速度を5段階に設定し、運動負荷強度による相違を比較検討した。運動負荷終了72時間後に、ラット後肢よりヒラメ筋(SOL)および長趾伸筋(EDL)を採取した。顕微鏡下の組織学的解析として、抗ジストロフィン染色と抗BrdU染色の免疫二重染色を実施した。ジストロフィンで標識された膜上の抗BrdU標識核を筋線維1000個あたりの数で表現し、筋衛星細胞活性化を分析した結果、20m/min以上群でコントロール群と比較して有意に増加した。 逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて目的遺伝子の存在を確認し、リアルタイム定量PCR法を用いて目的遺伝子mRNA量を測定した。その結果、EDLよりもSOLで目的遺伝子mRNA発現量が変動する傾向を示した。MyoD mRNA、Myogenin mRNA発現量は運動負荷強度の増加による有意な変化は示さなかったが、20m/min以上の運動負荷強度でMyogenin mRNA発現量が増加傾向を示した。一方、PCNA mRNA発現量は運動負荷により有意に減少した。MyoDとPCNAは類似した傾向を示したが、MyogeninとPCNAでは類似した傾向を示さなかった。以上の結果から、1) 20m/min以上の運動負荷強度で、単回の運動負荷72時間後に筋衛星細胞活性が増加する可能性、2) 本研究の走行負荷条件および筋摘出時間(72時間後)における、ヒラメ筋線維細胞の分裂・増殖活動は運動負荷強度に依存しない可能性が示唆された。
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