2010 Fiscal Year Annual Research Report
痩身若年女性における各種ストレス時の循環応答及び動脈硬化度に関する検討
Project/Area Number |
20500505
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
曽根 涼子 山口大学, 教育学部, 教授 (50271078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹 信介 山口大学, 教育学部, 教授 (00179920)
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Keywords | 痩せ / 女性ホルモン / 血圧 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
非喫煙で定期的な運動習慣のない若年女性22名(体脂肪率16.5~38.6%;Body Mass Index (BMI)16.8~27.1kg/m^2)を被検者として、寒冷および運動(静的掌握運動)ストレスに対する循環応答、および動脈硬化度の指標であるCardio-Ankle Vascular Index(CAVI値)を調査した。ストレス負荷検査およびCAVI値の測定は月経開始後3~7日に行った。検査当日には女性ホルモン濃度を測定した。寒冷負荷検査では、利き手を氷水(2~3℃)に2分間浸水した。運動負荷検査では、あらかじめ測定しておいた最大随意握力の30%の力を非利き手で2分間発揮した。検査時には血圧および心拍数を連続的に測定した。CAVI値は、血圧脈波検査装置(フクダ電子社、VS-1500)を用いて測定した。また、内臓脂肪レベルの指標として、腹囲/腰囲比、腹囲/大腿囲比、および腹囲/身長比を求めた。腹部皮下脂肪厚も測定した。その結果は、同様な方法によって昨年度得られた結果(24名)と合わせて検討した。全被検者(n=46)についてみると、体脂肪率(平均値±標準誤差)は27.5±0.683%、およびBMIは20.7±0.332kg/m^2であった。寒冷負荷検査における血圧上昇(昇圧)の大きさは、体脂肪率が約26.2%において最も小さく、体脂肪率がそれより低くても高くても大きくなる傾向が認められた(p<0.02)が、BMIや体脂肪分布指標との間には明らかな関係は認められなかった。寒冷負荷検査における心拍応答、運動負荷検査における循環応答およびCAVI値には、体脂肪率、BMI、および体脂肪分布指標との間に明らかな関係は認められなかった。以上のことから、一般若年女性において、寒冷ストレスに対する昇圧応答の大きさは、体脂肪率と密接に関係しており、低体脂肪率と高体脂肪率のいずれにおいても増大する傾向があることが明らかになった。したがって、体脂肪率を適正範囲に維持することは、一般に言われるような肥満との関係だけでなく、ストレス負荷時の循環器系に対する負担の面からも、重要であると考えられた。
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Research Products
(1 results)