2008 Fiscal Year Annual Research Report
障害児の運動動作と周囲とのコミュニケーションに関するバイオメカニクス学的研究
Project/Area Number |
20500521
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石井 良昌 Hiroshima University, 教育学研究科, 准教授 (00397978)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 和彦 広島大学, 教育学研究科, 名誉教授 (20057699)
王 芸 広島大学, 教育学研究科, 助教 (80457275)
|
Keywords | 障害児 / 運動 |
Research Abstract |
【研究目的】平成19年度より特別支援教育が学校教育法に位置づけられている。とりわけ、重度の障害児に対する運動指導やスポーツ参加の機会は少ないため、障害児と運動にっいての科学的な研究が必要とされている。 【本年度行った研究】研究1:身体バランス能の検討.ダウン症9名(10歳〜17)、自閉症19名(10歳〜36歳)を対象とした。両足をそろえた立位姿勢の状態で静止動作をとらせ、F-スキャンから得られた圧力分布、ビデオ撮影から得られた画像より、ダウン症と自閉症比較検討を行った。研究2:立ち幅跳びの検討.両腕を両腰に両手をあてて固定した状態で立ち幅とびを行った(固定)と、両手を自由にした状態で立ち幅跳びを行った(フリー)にて立ち幅跳びを行い、2台のビデオカメラを設置し得られた画像を解析した。【結果】研究1,静止時の足底圧は軸足、利き足の荷重に関しては、自閉症とダウン症には統計的な有意差は認められなかった。しかし、静止時における圧力分布曲線でみると、自閉症児では両足ともに圧力変化が少ない平坦な軌跡を描いたのに比べ、ダウン症児においては、常に左右足に移動させ圧力変化の大きい軌跡を描く傾向にあった。研究2.腕を固定した跳躍した場合より、手をブリーで跳躍した場合において跳躍距離の平均値は上昇した(増加率:自閉症群11.56%(+8.95cm)、ダウン症群21.21%(+15,56cm))が、統計的有意差は認められなかった。ダウン症のほとんどは、跳躍時に腕を振り反動をつけて跳ぶ傾向にあったが、自閉症では腕を振って跳ぶ傾向になかった(19名中2名)。【今後の展開】来年度においても引き続いて研究を行っていく予定であり、身体の動きの違いに関してバイオメカニクス学的解析を加えて障害者における指導方法について新しい知見を得るものとしたいと考えている。
|
Research Products
(5 results)