2010 Fiscal Year Annual Research Report
障害児の運動動作と周囲とのコミュニケーションに関するバイオメカニクス学的研究
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20500521
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石井 良昌 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (00397978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 和彦 広島大学, 教育学研究科, 名誉教授 (20057699)
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Keywords | 障害児 / 運動 |
Research Abstract |
【研究目的】平成19年度より特別支援教育が学校教育法に位置づけられている.とりわけ、重度の障害児に対する運動指導やスポーツ参加の機会は少ないため、障害児と運動についての科学的な研究が必要とされている.【研究1】本研究の目的は、児童期と青年期の自閉症児・者とダウン症児・者の立ち幅跳び指導が長期的、学習維持されているかに関して検討することであった。対象は自閉症とダウン症の男性児童7名(児童群;自閉症4名、ダウン症3名、平均年齢11.0±1.0歳),17歳以上の男性青年11名(青年群;自閉症7名、ダウン症4名、平均年齢22,0±5.0歳)とした。両群に対して立ち幅跳び指導を7週間(週1回、1回につき5~7分間)行った。測定は立ち幅跳び動作をビデオカメラで撮影し,得られた画像より跳躍距離、肩関節運動範囲、最大沈み込み時の膝屈曲角度と股関節角度、跳び出し時の股関節角度を指導前、指導終了直後、指導終了1年後で計測し、比較検討を行った。その結果、跳躍距離は児童群と青年群のいずれも指導前と比較して指導終了直後の値は高く(p<0.01)、指導終了1年後においても、児童群(p<0.0l)、青年群(p<0.05)で有意に高かった。また,肩関節運動範囲は、両群とも指導前と比べて指導終了直後、指導終了1年後の値は有意に高かった(児童群p<0.01、青年群p<0.01)。最大沈み込み時および跳び出し時股関節角度は、青年群では指導前に比べて指導終了直後で有意に増加したが、指導終了1年後では有意な差は認められなかった(p<0.05)。本研究結果より、自閉症児・者とダウン症児・者の立ち幅跳びの指導によっていったん学習された動作は、児童期と青年期のいずれも長期間維持されることが考えられた。 【今後の展開】今までに行ってきた研究をまとめて,障害児と運動について特に指導者との関係に着目して新しい知見を出していく予定である。
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Research Products
(4 results)