2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本の武道文化の成立基盤ー新陰流と一刀流剣術の研究を通じて
Project/Area Number |
20500527
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
魚住 孝至 International Budo University, 体育学部, 教授 (70203495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大保木 輝雄 埼玉大学, 教育学部, 教授 (80110120)
立木 幸敏 国際武道大学, 体育学部, 准教授 (20255178)
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Keywords | 武道 / 剣術 / 新陰流 / 一刀流 / 流派 |
Research Abstract |
研究の目的は、江戸時代の武道文化形成で主導的な役割を果たした新陰流と一刀流剣術を中心に、流派剣術の技法を踏まえて修練法とその思想を明らかにすることを通して、日本の武道文化の成立基盤を解明することである。 今年度実施した研究の成果は以下の通りである。 1.一刀流の資料の収集 石田和外文庫(埼玉県狭山市)、および春風館文庫(金沢市立図書館・近世資料館)で一刀流の古文書を調査し、重要な原典を写真撮影する。石田文庫では元禄年間の一刀流に技のやり方を書いた文書を発見する。春風館文庫では、一刀流の小野宗家の代々の文書と一刀流各派の古文書の原典多数を直接に調査することができた。 2.継承者と専門家への調査 一刀流を受け継いだ無刀流継承者・山崎卓氏(狭山市)、および新陰流の継承者・柳生耕一氏(名古屋市)に術技の伝承について聞く。また一刀流と無刀流の資料集を作成した村上康正氏(金沢市)にも話を聞き、一刀流小野宗家の影印本9冊、無刀流・山岡鉄舟筆写本の影印本3冊を寄贈される。 3.新陰流と一刀流の技法の研究会・全体研究会 吉田鞆男氏を中心に2班に分かれて、それぞれの諸文献の勢法(かた)・組太刀の叙述を解釈しながら伝承の術技を検証し、元来の術技の仕方を推定する。また全員による全体研究会を4度開催して討議した。 4.新陰流の勢法(かた)の研究論文の作成 新陰流勢法研究4として「天狗抄」八本「極意の太刀」六本の6つの文献を翻刻・注解して比較するとともに、それらの文献の叙述から推定される演武の分解写真を掲載した。
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