2010 Fiscal Year Annual Research Report
スキー実滑走時模擬振動暴露シミュレータによるヒト疲労および感性の間接的評価の試み
Project/Area Number |
20500540
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
塩野谷 明 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (50187332)
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Keywords | スキー実滑走 / 模擬振動暴露 / ヒト感性 / 疲労 / 間接的評価 |
Research Abstract |
平成22年度は,前年度同様1)振動シミュレータを用いたヒト系の疲労および感性(滑走時の心地よさ)の評価,さらに研究の進捗に伴い当初の予定になかった2)追加実験を行なった.1)ヒト系の疲労および感性といった要素とスキー板の機械的力学特性特に機械的振動との定量的関係の確立(総括的課題)を目指しスキー板の振動パターンがヒトにどのような影響を与えるかについては,これまで同様EMGを計測,MPFより振動がヒトの疲労にどのような影響を及ぼすかを検討するとともに,感性へのアプローチとして,同期システムの心電アンプを介した振動暴露中の心電図を計測,その周波数解析から0.03~0.15[Hz]の周波数成分および0.15~0.4[Hz]の周波数成分から自律神経系の動態を評価することで振動暴露時の感性(滑走時の心地よさ)の間接的評価を試みた.また同期システムの呼吸アンプおよびサーミスタを介して得られる呼吸曲線の周波数解析からも同様の評価を試みた.これらの結果の一部は,日本スキー学会誌「実滑走時のスキー振動とヒトEMGの同時計測システムの構築」および日本スキー学会第21回大会「スキー実滑走時模擬振動暴露によるヒト疲労及び感性の間接評価-心地よい滑走性を求めるための評価コンセプトの構築-」で発表した.また2)追加実験について,本システムで用いるEMGのMPF導出は先行研究に基づいたものであるが,これまでの方法ではEMGの計測,ならびにMPFの同定の精度、安定性に神経生理学的な問題があるため、それを補填するための実験を追加した.おそらくEMGのMPF導出は,ワイヤー電極等が最適と考えられるが,運動を伴う実験には不向きであること,さらに同電極使用は医療有資格者が条件となる.そこで本申請研究で構築した機械力学情報と生理情報の併用計測システムを用い,同じ筋長時のEMGのみを連続導出し,他の生体情報や機械力学情報と同期させるシステムを構築,本年度は振動シミュレータではなくエルゴメトリシステムに応用,EMGのMPFからの疲労同定の精度向上を目指した.これらの研究はProc. 1st Int. Conference on Applied Bionics and Biomechanics(研究成果参照)および日本機械学会等で発表しているが,本申請研究終了後についても残された継続課題として考えている.
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