2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500561
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 秀次 Waseda University, 人間科学学術院, 教授 (40137964)
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Keywords | 初動負荷トレーニング / 筋活動 / 共縮 / 運動制御 / バイオメカニクス / 小学生 / トレーニング効果 / 特異性 |
Research Abstract |
我が国のスポーツの現場から生まれた初動負荷トレーニング(Beginning movement Ioad training : BMLT)動作の筋活動・キネマティックスとその効用をしらべた。その結果、BMLT動作時の筋活動には弛緩-伸張-短縮を繰り返す反射とかわし動作が含まれ、筋活動に先立って弛緩相が起こり、共縮を伴わず、体幹の近位から遠位への筋放電の出現がみられることが明らかとなった(Koyama Y, et al. : Eur J Appl Physiol, 109 : in press)。またBMLTの効果をみるため、本年度はBMLTが児童の体力・運動能力にどのような影響を与えるかを検討した。 対象者は心身共に健康な学齢児童(10~12歳)23名とした。BMLT群は専用のマシン(12種目)を用いて、週3回、3ヶ月間行った。その結果、上体起こし、長座体前屈、股関節屈曲可動域、反復横跳、単純反応時間、肺活量、10m走、30m走、立幅跳、垂直跳、テニスボール投で有意に記録が向上した。以上、BMLTによって児童生徒の体力・運動能力が向上することが明らかになった。成長期にある小学生には従来型のウエイトトレーニングを行うことは好ましくないとされている。しかし、比較的軽い負荷を用いるBMLトレーニングは、1)負荷と弛緩-伸張-短縮サイクル運動が連動することでよりリズミカルな動作が獲得できること。また、2)身体運動は隣接する関節同士が相互に影響を及ぼし合って実現されることから、自由度の大きいトレーニング動作を反復的に行うことは神経系の発達の著しい学齢児童の運動における協調性、巧緻性、俊敏性を特異的に強化でき、BMLTは動作の特異性を考慮した動きづくりのトレーニングとして児童の体力・運動機能向上に有効な手段となることが明らかとなった。
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