2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500561
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 秀次 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (40137964)
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Keywords | 初動負荷トレーニング / 筋活動 / 共縮 / 運動制御 / バイオメカニクス / 高齢者 / トレーニング効果 / 特異性 |
Research Abstract |
初動負荷(BML)理論は1994年に小山裕史氏が創案した我が国発の動きづくりを目的としたトレーニング理論である。その根幹となる動作形態は「反射の起こるポジションへの身体変化及びそれに伴う重心位置変化を利用し、主動筋の『弛緩-伸張-短縮』の動作を同時に促進させ、主動筋と拮抗筋との共縮を防ぎながら行う運動」と定義されている。よって、BMLトレーニングは従来の筋線維を太く強化する目的で行う筋力トレーニングとは一線を画している。BMLトレーニングによって運動機能が高められ競技力が向上した例に加え、最近では麻痺疾患の改善や疾病の予防と改善にも有効であることが多数報告されている。しかし、その動作機序および効果についての科学的解明は未だ少なく、この度の機会を得て研究するに至った。BMLトレーニング動作の特徴に「かわし動作」がある。本動作が含まれることによって主動筋と協力筋、さらには拮抗筋が時々刻々とタイミングをずらしながら『弛緩-伸張-短縮』を繰り返すことが筋活動の記録から明らかになった。その結果、筋活動に先立って弛緩相が起こり、共縮を伴わず、体幹の近位から遠位への筋放電の出現がみられることが明らかとなった(Eur J Appl Physiol,109:789-801,2010)。また、BMLトレーニングが高齢者の身体バランス、柔軟性、筋力、俊敏性・反応の機能改善、特にBMLトレーニングが神経制御機能の改善に有効であることが明らかとなった(第18回国際電気生理運動学会,2010/6/16-19,Aalborg,Denmark)。
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Research Products
(3 results)