Research Abstract |
開発したハイブリッド型モーターによる高精度・高速度・高出力のパワートレーニング機器による,機械の粘性,弾性要素を制御した単関節用の機械的インピーダンストレーニングマシーンを活用して,強化・向上させたい筋力特性範囲に対して,限定的かつ効果的なトレーニング刺激を提示することをねらいとして,本年度の研究を進めた.トレーニング効果の検証にとって重要な因子である,(1)局地部分強化のための機械的インピーダンスパラメーター設定を行うための基礎実験を行った.また,(2)動作学習トレーニングへの応用を考えた,フィードバックシステムの検証を進めた. (1)については,健常な成人男性6名を被験者として,次のインピーダンス強度での実験を行わせた. 負荷条件1[等粘性負荷のみで,異なる6段階の粘性係数] 粘性係数3.0,5.0,8.0,12.0,20.0,30.0[Nm/(rad/s)] 負荷条件2[等粘性負荷+20Nm/radの弾性負荷] 粘性係数3.0,8.0,20.0[Nm/(rad/s)]+弾性係数20.0[Nm/rad](重畳区間0.5~1.0,1.0~1.5,1.5~2.0)の9パターン 負荷条件3[等粘性負荷+30Nm/radの弾性負荷] 粘性係数3.0,8.0,20.0[Nm/(rad/s)]+弾性係数30.0[Nm/rad](重畳区間0.5~1.0,1.0~1.5,1.5~2.0)の9パターン 以上の実験の結果,粘性係数が3.0,8.0[Nm/(rad/s)]のときは,弾性負荷を重畳することで,その重畳区間でトルクが増加することが分かった.一方,粘性負荷が大きい20.0[Nm/(rad/s)]の場合では,弾性負荷を重畳することで,速度の低下を来たし,トルクの増加が見込めず,かえってトルクを下げてしまう結果となった.以上のことより,筋パワー発揮が最大となる,あたりの筋出力までのところでは,機械的インピーダンス制御により,局地部分強化が可能であることが示唆された. (2)については,固有受容器の刺激,ビジュアルフィードバックを用いる方法などを予備実験的なデータを収集した.
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