2010 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病予防を目的とした肥満に関わる遺伝子多型と体組成の相関性に関する研究
Project/Area Number |
20500620
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福家 洋子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (20073562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 容子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (00240531)
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Keywords | 生活習慣病予防 / 遺伝子多型 / 爪 / DNA / PPARγ / β3-AR / アディポネクチン / 体組成 |
Research Abstract |
本研究は、BMI値が25-30の中高年齢層の女性を対象とし、肥満に関わる遺伝子(PPARγ、β3-AR、アディポネクチン)の遺伝子多型を明らかにし、体組成や安静時代謝量をもとに遺伝子多型との相関性を解析し、さらに若年女性(BMI平均19.9±1.6)の結果と比較検討し効率的体重管理・生活習慣病予防に遺伝子解析を取り入れる科学的根拠を示すことを目的とした。 ・PPARγ2:Pro12Alaの保持者は、両グループともに6%となり、BMIの差による違いは認められなかった。・β_3-AR:Trp64Trpは72%、Trp64Argは28%でArgアレル頻度は0.14となり、若年女性の0.26より低い結果となった。・アディポネクチンは、G/G型62%、G/T型34%、T/T型4%となり、若年女性G/G型52%の結果に比べ高い比率となった。また、アディポネクチンG/G型保有者は2型糖尿病のリスクが高まることが知られているが、糖尿病で通院している協力者6名はすべてG/G型遺伝子であった。・β_3-ARとBHI・安静時代謝量における相関性には有意な差は認められなかった ・若年女性(BMI平均19.9±1.6)の解析結果では、現在肥満でない集団においても将来の肥満リスクをもつ協力者がいることが明らかになった。これは、若年期に遺伝的素因を把握し、運動、栄養素摂取や効率的な体重管理を行い生活習慣病の発症予防に活用できる可能性が示唆されたと言える。しかし、BMI25以上の解析結果では、肥満と遺伝子多型との関連が見出されなかった。今後、新たな肥満関連遺伝子としてFTO(Fat Mass and Obesity-associated)等との組み合わせによる検討が必要である。
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