2010 Fiscal Year Annual Research Report
「生活の安全保障」アプローチによる「持続可能な開発のための教育」に関する研究
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20500644
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松葉口 玲子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (30304562)
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Keywords | ESD / 生活改良普及事業 / 生活綴方・生活記録運動 / 生活改善 / 生活の組織化 / 持続可能性 / ジェンダー |
Research Abstract |
これまで収集した生活改良普及事業、生活改善運動、消費者(生活者)運動等、「生活」をめぐる運動および啓発活動に関する資料の確認・整備・直接取材を続行したが、高齢による他界という現実にも直面し、今後この作業を急ピッチで進める必要性を痛感した。 日本国内におけるESD実践の現状と課題を整理するためのモデル実践例の収集も引き続き行った。具体的には、畜産・ワインやクリーンエネルギーで有名な岩手県葛巻町、葉っぱビジネスやゴミ・ゼロ宣言で有名な徳島県上勝町など、過疎化・高齢化という現実のなかで地元の生活資源を上手く活用して地域再生をめざす事例について調査した結果、そこには次世代につなぐ「学びの場」をはじめとしたNPOや社会的企業の活動および女性たちの活躍が重要な意味を持っていることをあらためて確認することができた。 3月には、PERL(Partnership for Education and Research about Responsible Living)国際会議に出席し、「持続可能な消費(生活)」に関わる国際的動向を把握するとともに、消費者市民教育の先進事例として、スペイン消費者庁および現場教師から、スペインにおける消費者市民教育の動向について情報収集を行なった。いずれも、社会のあり方を主導する消費者市民の考え方が徹底しており、今後、日本のESD実践への新たな視点についてまとめるうえで多くの示唆を得ることが出来た。
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