2010 Fiscal Year Annual Research Report
箸操作のラテラリティと視覚・認知フィードバック系の関連に関する筋電図学的研究
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20500703
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
立屋敷 かおる 上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (20119324)
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Keywords | 箸操作 / ラテラリティ / 視覚 / 認知フィードバック / 筋電図 |
Research Abstract |
本研究の目的は、箸操作の利き手と非利き手によるパフォーマンス及び筋の放電パターンに対するラテラリティの差を筋電図学的に明らかにし、それらのラテラリティの差がトレーゴングによってどのように変わるのかを明らかにすることである。この目的を遂行するため、成人を対象として箸を用いて開眼と視覚遮断の条件下で試料を移動させる作業を継続的に実施し、作業時間を主に指標として開眼と視覚遮断の条件下でトレーニング効果を検討する。また、その効果がトレーニングを終了した後、どの程度保持されているかを明らかにする。さらに、箸の操作時に主として使う上肢及び前腕の主働筋の放電量を表面筋電法で測定・解析し、その放電パターンの変化から箸操作のラテラリティと視覚認知フィードバック系が如何に関わっているかを明らかにする。 本年度は、前年度に実施した箸操作時における利き手と非利き手でどのような筋電図学的特性があるかをさらに検討した。特に、手及び前腕の骨格筋の放電特性を測定・解析した。手の筋は短母指屈筋(M.flexor pollicis brevis)と浅指屈筋(M.flexor digitorum superficialis)を、前腕の筋は腕とう骨筋(M.brachio radialis)ととう側手根屈筋(M.flexor carpi radialis)を用いた。 その結果、試料を箸でつかんでから持ち上げた際の浅指屈筋の放電量は、利き手が非利き手より明らかに大きいこと、この二種類の筋放電量は開眼条件下が視覚遮断条件下より明瞭に大きいことが明確となった。また、試料をつかんでから持ち上げた際のとう側手根屈筋の放電量は利き手が非利き手より有意に大きかったが、腕とう骨筋の放電パターンには利き手と非利き手との間に有意な差が認められなかった。さらに、視覚遮断条件下での箸で試料を持ち上げる操作時に試料をつかんでいる時といない時の放電量は、いずれの筋ともに有意な差が認められなかった。なお、本研究の遂行は、昨年度と同様に連携研究者の所属する早稲田大学人間科学学術院で行った。
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