2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500727
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
蘆田 一郎 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (10323958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮岡 洋三 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (10134941)
岩森 大 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (90339961)
川上 心也 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (60410271)
玉木 有子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (00410267)
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Keywords | 食行動 / 表情 / 筋活動パタン / 定量的解析 / 眼球運動 |
Research Abstract |
発達段階や健常・非健常を問わず、喫食時、顔面表情は多様に変化すると経験的に知られている。この研究分野においては、乳児や無頭症の嬰児を被験者とした研究が100年以上前から進められている一方、健常者についてはあまり見られない。これは、食品のもたらす刺激には味のみならずテクスチャや温度といった複数の要因が関与するため、表情としての応答が個人差や再現性の点から定量的に捉えにくいためと考えられる。本研究は、健常成人を対象として、味刺激(テクスチャや温度を統制)時の表情変化を定量的に解析することを目的としたが、平成22年度までの研究結果より、少なくとも「顔面に付したマーカーの動画的追跡」については顕著な変化が無いと分かった。そこで平成23年度には、同実験で得られた眼瞬に着目して解析をおこなった。 実験では、健常な学生男女6名の口腔内(主に舌表面)をシリコンチューブを介して四基本味溶液(高・低濃度)にて刺激した際の眼瞬応答をビデオレコーダにより録画し、眼瞬の回数ならびに第1眼瞬潜時および持続時間を解析した。 その結果、高濃度の酸味および苦味刺激は、1)眼瞬回数について、高濃度の酸味と苦味は蒸留水(DW)の2倍近くの眼瞬が誘発(Ps<0.01)され、2)第1眼瞬の潜時について、高濃度の酸味および苦味刺激はDWに比べて70~60%と短縮(Ps<0.01)されたことに加え、3)第1眼瞬の持続時間について、高濃度の酸味および苦味刺激はDWに比べて約190%(Ps<0.01)、高濃度塩味も150%と延長(P<0.05)すると分かった。眼瞬や閉眼は表情の一種であり、味刺激に対する応答(gustofacial responses)の神経回路が想定されるものの、これまでに味応答として取り扱った報告は見られない。本研究の結果は、食品の味ないし嗜好性の顔面表出(非言語的表出)に基づく評価に資すると考えられる。
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Research Products
(2 results)