2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Analyses of facial expression muscle activity for evaluation of foods.
Project/Area Number |
20500727
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Eating habits, studies on eating habits
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
蘆田 一郎 Niigata University of Health and Welfare, 健康科学部・健康栄養学科, 講師 (10323958)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | 食行動 / 表情 / 定量的解析 |
Research Abstract |
食事がもたらす顔面表情の変化は、乳幼児から高齢者まで広く観察される。食卓に向かっただけで、視覚・嗅覚情報に基づいて顔面表情は大きく変わる。また、口に入れた食物による触覚などの体性感覚や味覚の情報も顔面表情をときに大きく変える。梅干しやレモンを口にしたときの顔面表情を例に挙げるまでもない。しかし、このような食事に伴う顔面表情の変化は日常的に知られていながら、その定量的な解析は必ずしも十分ではない。すなわち、これまでの顔面表情に関する研究報告においては、例えば各種味溶液を口に与えた刺激に対して乳児が示す相貌変化を連続写真によって比較するなど、その解析法の多くは定性的である。定量的な解析法を用いても、顔面の動きを数値化するに止まっている。対して、客観的かつ定量的な解析(例えば、表情筋の筋電図を使用した解析)は、現在までのところおこなわれていない。 研究代表者らは、これまで、食事に伴うヒトの様々な運動や反応に興味を持ち、研究をおこなっている。例えば、咀嚼筋・嚥下関連筋活動、舌筋活動、口の動きに連動した頭頸部の動き、などである。その結果、「1.食事などに伴う口の動きは頭頸部に特有の同期運動を誘発する」、「2.嚥下時の姿勢(体幹角度)は舌筋活動の持続時間に影響を及ぼす」、「3.食品の温度や味は嚥下筋活動時間や活動量に影響しないが、筋活動パタンに影響する可能性が示唆される」などの研究成果を挙げ、国際誌に報告してきた。これらのうち、特に知見3.を受けて、筋の活動時間や活動量だけではなく、その時系列上のパタンをも解析する手法を模索した。その結果、「TP法」と称する手法の開発に成功した。TP法とは、筋活動の記録(筋電図)において、筋活動の全量に対する所与の活動量に至るまでに要する時間を基準化し、筋活動パタンを定量的に表す手法である。このTP法を咀嚼・嚥下時の関連筋活動の解析に適用したところ、筋活動は食品によって特有の活動パタンを呈するとわかった。この成果は、従来的な言語に依る食品の評価(官能評価)に加えて、言語に依らない筋活動パタンを用いた食品評価の可能性を示唆する。本研究においては、これまで咀嚼筋や嚥下関連筋を対象として確立してきたTP法を顔面筋に適用すべく計画された。
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Research Products
(6 results)