2009 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の主体的な活動をコンピュータにより支援したシステムの実現と活用
Project/Area Number |
20500810
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Research Institution | Seiwa University |
Principal Investigator |
大即 洋子 Seiwa University, 法学部, 講師 (20406789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 和 東京成徳大学, 子ども学部, 教授 (50123055)
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Keywords | 保育支援 / 集団活動 / RFID / 幼児向けソフト |
Research Abstract |
本研究では,パーソナルコンピュータ(以下,PCと記す)上のさまざまな操作を幼児だけで行うことにより,幼児の主体的活動を支援することを目的とした幼児用ソフトウェアの実現および長期的な試用を行っている. 我々はこれまで,活動的な集団保育の一部にPCを利用するシステムを提案し,幼稚園での試用・観察を重ねてきた.その一例として宝探しゲーム支援ソフトウェアを試作し,RFIDシステムを利用することでゲーム中の操作を幼児自身が全て行うことを実現している.しかし,事前設定は保育者が行うことを前提としたため,幼児は保育者の意図した行動しかできず,主体性に欠けるとともに,気軽に利用できないという問題点が残った.また,従来の保育に組み込めるような利用方法の例示が少なく,長期的な試用が難しいなども挙げられた. そこで本年度は,ある保育園の協力のもと,通常の保育との関連性を重視し,通常の保育の中で作り出した世界を発展させるための道具としてのコンピュータ利用を試みるべく試用・観察を行った.具体的には,宝探しゲーム支援ソフトウェアを用いた保育活動の題材に,1年間の保育計画の中で重要な位置を占めていたある絵本のストーリーやキャラクタを取り入れることで,通常の保育との関連性を見出し,「宝探しゲーム」がその中で起こった1つの出来事となることを目指した.その結果,通常の保育との関連性が高まり,保育における自然な形でのPC利用の可能性を示すことができた. また,試用に伴いユーザインタフェースの改良も行った.しかし今回の試用により,本ソフトウェアを用いて幼児らのみで宝探しゲームを行うには,まだ問題点を抱えていることが明らかになった.そこで,現在まで行ってきた2回の試用・観察の結果を基に,さらにユーザインタフェースの改良および検討を行うことを今後の課題とする.
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Research Products
(3 results)