2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510076
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
木村 哲哉 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (00281080)
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Keywords | 多環芳香族 / マンガンペルオキシダーゼ / 白色不朽菌 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
自動車の排気中等に含まれる多環芳香族は人体をはじめ自然環境に大きな影響を与えることが示されている。これらを環境中から除去することはきわめて重要な問題であるが、後半に排出された汚染物質を安価に効率よく分解することは容易ではない。我々は、白色不朽菌が生産するマンガンペルオキシダーゼのうち、この多環芳香族を分解する能力を有するヒラタケMnp2に注目し、この遺伝子を植物へ導入することで、多環芳香族を分解できる植物の育種をめざした。白色不朽菌のMnp2遺伝子から分泌シグナルを除いたcDNA部分をPCR法で増幅し、これをリコンビナントPCR法でポプラの分泌シグナルと融合した遺伝子CEX-mnp2を作成した。この遺伝子を我々が独自に開発したGateway Binary Vector pGWB2へ連結した。このベクターは外来遺伝子発現用プロモーターとしてCaMV35Sをもっており、導入したCEX-mnp2遺伝子は植物の組織全体で発現することが予測された。Agrobacterium法でシロイヌナズナを形質転換したところ複数のハイグロマイシン耐性株を得ることができたが、多くの株は生育の途中で形態異常をおこし枯死した。最終的に4株から種子が得られたので、この種子をMS液体培地中で発芽させ、レマゾールブリリアントブルー(RBBR)分解能を調べたところ明らかに非組換え株に比べ分解が早かったことからCEX-mnp2遺伝子が発現していることが示された。この組換え体が多環芳香族を分解できるか解析予定である。
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