2010 Fiscal Year Annual Research Report
食品廃棄物系バイオマスからの高速メタンエネルギー回収技術の開発
Project/Area Number |
20510088
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
山崎 慎一 高知工業高等専門学校, 環境都市デザイン工学科, 准教授 (60290821)
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Keywords | 土木環境システム / 廃棄物再資源化 / 省エネルギー / 水質浄化 / バイオリアクター |
Research Abstract |
本研究の目的は、高速処理が可能な省エネ・省資源型で廃棄物が低減できるUASB槽とDHS槽を組み合わせた省エネ型嫌気好気システムの実験装置を使用して、これまで食品系産業廃棄物として焼却・埋め立て処分されていた食堂などの厨房から発生するグリストラップ廃水の減量化と再資源化を可能にする新規な生物学的廃水処理システムを開発することである。本研究では、これまでにUASB槽への流入原水pH、DHS槽の処理水循環比、水理学的滞留時間(HRT)の操作因子が処理性能に及ぼす影響について検討した。 これらの結果を受けて、平成22年度では、廃水中に含まれる脂質成分を良好に分解させることを目的として、UASB槽を新たにもう1槽前段に追加させた2槽式UASB-DHS処理システムを構成して、HRTを20~40時間に設定して長期間の連続処理実験を行った。その結果、原水のCODcr濃度が300~1200mg/Lの変動に対しても、数10mg/L程度の極めて良質な処理水質(CODcr除去率で99%以上の非常に高い処理性能)が安定して得られることを確認した。2槽式UASB-DHS処理システムは、生物処理が難しく、高濃度になると阻害を生じさせる油脂成分を含むグリストラップ廃水を安定的に処理する方法として、処理水質、廃棄物の減量化、エネルギーの回収利用、水環境の保全修復などの観点で非常に有効であること、また、本システムの実用化に向けた基礎的な計画及び運転条件を本研究において確認することができた。
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Research Products
(2 results)