2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境適応型バイパスライン生産システムの最適化に関する研究
Project/Area Number |
20510134
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小島 貢利 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (20273310)
|
Keywords | 経営工学 / 生産管理 / バイパスライン / JIT |
Research Abstract |
本研究では、ライン全体の設備投資額の最小化および稼働率向上の両立を目指した、バイパスライン生産システムの設計、各品種のバイパスラインへの作業時間配分および投入順序付けの最適化アルゴリズムを、数理最適化手法やシミュレーション技法等を用いて考案する。今年度は、バイパスラインの導入されている、実際の自動車生産ラインに赴き、需要変動に応じた生産ラインの変更やそれに伴う、労働者のシフト変更などがどのように行なわれているか、現地で詳細な聞き取り調査を行なった。また、自動車リサイクル工場等において、多種多様な使用済み自動車を対象に、環境を考慮した分解作業がどのように行なわれているか現地調査した。さらに、SCM環境下における、JITの在庫量や生産量をマルコフ連鎖として定式化し、各工程が遠隔地で搬送リードタイムを考慮すべき場合に、変動需要下でのシステムの挙動を、厳密解を求めて明らかにした。加えて、各工程での在庫保管費用や品切れ費用を考慮した場合の最適な在庫量も算出した。次に、「Jコスト」と呼ばれる概念について調査し、棚卸資産など流動的でない資金を一定期間保持することによる機会損失を適切に評価するための問題点の検討を行なった。さらに、バイパスラインに代表されるJITは、ものづくりの分野に限らず、先端技術を応用した製品、サービスや社会システムなど、様々な分野に応用可能であることを明らかにしつつ、一方で、社会や企業に与える影響に関しても考察し、安直な導入が引き起こす問題点に関しても指摘した。
|