2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境適応型バイパスライン生産システムの最適化に関する研究
Project/Area Number |
20510134
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小島 貢利 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20273310)
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Keywords | 経営工学 / 生産管理 / バイパスライン |
Research Abstract |
本研究では、ライン全体の設備投資額の最小化および稼働率向上の両立を目指した、バイパスライン生産システムの設計、各品種のバイパスラインへの作業時間配分および投入順序付けの最適化アルゴリズムを、数理最適化手法やシミュレーション技法等を用いて考案した。 今年度は、作業時間、ライン長、バッファ等のライン環境がラインの稼働率に与える影響を調査し、各種条件を変化させた上でラインの最適化を行った。研究結果より、作業時間の変動が大きくなると、メインライン、バイパスライン共にラインストップ時間が増加する傾向をシミュレーションにより明らかにした。しかしながら、作業時間のラインストップ時間の削減を企図して、ラインを長くすると、逆に作業終了時間が上昇し始めるため、それらの最適化が重要であることを明示した。また、複数のラインを連動しつつ制御するため、投入順序の最適化が重要であることも示した。これらの結果は、バイパスラインの設計及び運用において有効な示唆を与えるものと期待される。また、環境を考慮したループ構造の生産ラインに関しても研究を行い、厳密解を得られる最適化手法であるマルコフ決定過程を応用し、再生産も考慮した生産ラインの最適化に関しての研究も行った。さらに、グローバル生産で各所に分散するジャストインタイムシステムの信頼性に関して、基本的なシステム特性を明らかにし、コストのみを重視し徒に生産箇所を分散することが、生産システム全体の稼働率に対して大きな負の影響を与えることを明らかにした。この予見は、東日本大震災により国内外のサプライチェーンの破綻を通じて、現実に正しいことが証明された。
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[Presentation]2010
Author(s)
田村隆善(共著)
Organizer
生産管理システムの診断と改善
Place of Presentation
東京都武蔵野市
Year and Date
2010-09-19