2009 Fiscal Year Annual Research Report
山地の地震動の地形効果が崩壊発生に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
20510182
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
浅野 志穂 Forestry and Forest Products Research Institute, 九州支所, グループ長 (70353555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 康彦 独立行政法人森林総合研究所, 水土保全研究領域, 主任研究員 (50360376)
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Keywords | 防災 / 土砂災害 / 地震 |
Research Abstract |
大規模な地震により山地や丘陵地で発生する斜面災害を軽減するため、地震時の斜面崩壊の発生機構の解明が求められている。本課題では崩壊の誘因となる地震動の斜面スケールでの分布と地形との関係について観測や数値解析により検討を行い、地震動と崩壊発生との関係を明らかにすることを目的とする。当年度は丘陵地における地震と地形の関係について観測結果から検討すると共に、地震探査により観測地点の地盤の動的変形特性について検討した。観測は丘陵地の山稜部と埋没谷となる緩斜面部において地上と地下25mの2深度で行った。山稜部は砂質土の堆積地盤、緩斜面部は砂質土の埋立地盤と地盤条件が異なるため、その特性の違いを表面波探査により検討した。その結果緩斜面部の埋立地盤は山稜部の地盤に比べて地震波伝播速度がやや小さく、動的変形が大きくなりやすいものと推定された。また観測の結果から、地震動が地下深層から地上に伝わる過程で山稜部では尾根線に直交する方向に増幅され、緩斜面部においては全方向に地震動が増幅され、また増幅する波長帯も異なることが分かった。同時に地下水の間隙水圧を観測したところ、動的な間隙水圧の変動は、地盤の振動の中でも鉛直方向の振動成分に影響を受けやすいことなどが分かった。これらの結果と現地探査による地盤の動的変形の違いから、遠方から伝わる地震動は山稜部では地形条件に影響を受け、緩斜面部では地盤材料の影響を受けて地震動が増幅することなどが実際の地震においても発生しており、斜面崩壊を促進する地盤の間隙水圧への影響には振動成分の違いがあることなどが分かった。
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Research Products
(1 results)